アルバム ページ28
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ケーキまですっかり腹の中に収め、後片付けを手伝うAさんのご期待に添えるべく、二階の僕の部屋のどこかに片付けただろうアルバム探しを始めたが。
「……ここにあるわけがないんだよな」
そもそもアルバムは母さんが隠し持っていたんだし。
てことは母さんの部屋か。
一階に降り、玄関にほど近い部屋のドアを開ける。
遺品整理以来入ることがなかったこの部屋は、もっと埃っぽいかと思っていたけど、流れ出る空気は埃っぽさもカビ臭さもなくて、まるで誰かが定期的にメンテナンスでもしていたかのような綺麗さだ。
部屋にはほとんど物がない。残してあるものは全部クローゼットにまとめて片付けたし。
クローゼットの扉を開け、中の段ボール箱を漁っていると同族の気配が近づく。
廊下から部屋を覗き込んだ父がちいさく、うわ！と驚いた。
「びっくりした……。母さんの部屋で何してるの？」
「ちょっと探しものを」
「……ふーん」
ビビリの父はとりあえず放っておいて、次の段ボール箱を開けたときにお目当ての物を見つけた。
「あった」
「ああ、アルバムかぁ」
同じものを持っている父さんは昔は滞在先にまで持っていってたらしい。
見せてもらったことはないけど、母さんから送られてきていた手紙もきちんと残してあるそうだ。
数冊のアルバムを両手に抱えダイニングルームへ戻ると、ちょうど食器を洗い終えたAさんがお茶を淹れてくれていた。
リビングに三人で移動して、お茶をすすりながら何十年振りかのアルバム鑑賞会の始まり。
僕はユンギヒョンから父さんの存在を教えられてから数回見た程度で、随分ご無沙汰のアルバムとの再会だ。
最初のページからAさんはずっっと可愛いを連呼して止まらない。
何なら甘い美味しそうな香りまで大放出して止まらない。
……嬉しいような恥ずかしいような。
「この時のジミニはまだまだ病気がちで、一度熱が出たら三〜四日くらいは高熱が続いて大変だったんだ」
僕と父さんでAさんを挟むように座り、父さんが撮った写真の当時のエピソードをAさんに語っている。
僕の目にあるページの写真が飛び込んできた。
それにはすごい美人の女性と２歳位の男の子とユンギヒョン、そして父さんと母さんと２歳の僕が写っていた。
実はちゃんと見るのは初めての二家族合同の家族写真。
知らないはずの人。なのに、僕には見覚えがあった。
「……夢に出た女性だ」
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あがしおん(プロフ) - miyaさん» いつもコメントありがとうございます！ジンくんはほんわかあったかい感じがよく似合いますよね！気に入っていただけてよかったです！ (2019年12月7日 14時) (
レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
miya(プロフ) - 大好きなジンくんのお話ありがとうございます(≧▽≦)そうこのゆったりとした空気感が大好きなんです！寒くても、ジンくんの周りは温かいですね( 〃▽〃) (2019年12月7日 13時) (レス) id: 6284949262 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - miyaさん» 私も国語の授業は漫画本隠し読みしてた類の人間ですよ！でも、お気に召していただけて何よりです〜♪ (2019年10月14日 1時) (レス) id: d4473d8198 (このIDを非表示/違反報告)
miya(プロフ) - あがしおんさんの愛情いっぱいの言葉、大好きです(T△T)あぁ、本当に国語の授業寝ていた自分が恨めしい。。。。 (2019年10月14日 0時) (レス) id: 6284949262 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - miyaさん» miyaさん、コメントありがとうございます。作者も泣いております。近頃は涙腺がユルユルで……。 (2019年10月14日 0時) (レス) id: d4473d8198 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2019年8月22日 8時
