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この先の道のどこにAヌナが住んでるかまでは知らない。
でも、意外に近所に住んでるって事は、４年間のうちに培ったリサーチで分かってた。
古びた街灯からジジッと耳障りな音が聞こえる夜道を、言葉少なに進む。
いつヌナの住まいに着くか分からないから、そろそろ。そう考え始めて会話が続かなくなっていた。
「……ジョングク君、どうしたの？」
「え、いや、どうもしないけど」
「急に黙り込んで、表情硬いよ？」
やべぇ。緊張が顔に出てた。
慌てて両頬を揉み解して作り笑い。
そして思い出す肝心な事。
そうだ、俺、渡したいものがあったんだ。
カバンの中から可愛いパステルカラーのリボンのついた小さな紙袋を取り出す。
凄く考えて、凄く迷って、試供品を片っ端から嗅ぎまくって、頭痛くなるまで悩んだ。買う時も相当恥ずかしかったけど、プレゼントって伝えてこの梱包で持って来られた時、めちゃくちゃ恥ずかしかった。
それでも、喜んでもらえるかな、気に入ってくれるといいな。そう思って今日が来るのを待ち望んでいた。
それが今、再び俺の手の中にある。
やばっ。くっっっっそ恥ずい。
「ヌナ、」
「んぇ？な、何？」
ふいに声を掛けられたことに驚いたのか、ちょっと裏返った声で返事したヌナ。
恥ずかしさのあまり片手で突き出した紙袋。
「これ……？」
「ヌナも今日誕生日じゃん。だから」
立ち止まったヌナの両手にそれが渡った。
お小遣の少ない俺が、精いっぱい頑張って貯金して買えたヌナへのプレゼント。
ホントはアクセサリーをプレゼントしたかったけれど、バイトが出来ない今の俺には流石にちょっと無理で。
「え……開けていい？」
「……ん」
カサカサと音がしてたけどすぐに止まって。
手に持ったプレゼントをまじまじと眺めるヌナが、嬉しそうに声のトーンを上げた。
「え、ハンドクリーム？」
「うん。口に入っても問題ない成分だし、匂いは長く残らないから……いいかな、って……」
手荒れのせいで霜焼け起こすんじゃないかって勝手に考えて、もっと労わって欲しくて買ったハンドクリーム。
「……あ、リップクリームも？」
……と、付けたら淡いプラムに色付くリップクリーム。
「……セットだったから」
ホントは、ヌナに似合いそうだなと思って衝動的に追加で買っちゃった。
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あがしおん(プロフ) - miyaさん» いつもコメントありがとうございます！ジンくんはほんわかあったかい感じがよく似合いますよね！気に入っていただけてよかったです！ (2019年12月7日 14時) (
レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
miya(プロフ) - 大好きなジンくんのお話ありがとうございます(≧▽≦)そうこのゆったりとした空気感が大好きなんです！寒くても、ジンくんの周りは温かいですね( 〃▽〃) (2019年12月7日 13時) (レス) id: 6284949262 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - miyaさん» 私も国語の授業は漫画本隠し読みしてた類の人間ですよ！でも、お気に召していただけて何よりです〜♪ (2019年10月14日 1時) (レス) id: d4473d8198 (このIDを非表示/違反報告)
miya(プロフ) - あがしおんさんの愛情いっぱいの言葉、大好きです(T△T)あぁ、本当に国語の授業寝ていた自分が恨めしい。。。。 (2019年10月14日 0時) (レス) id: 6284949262 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - miyaさん» miyaさん、コメントありがとうございます。作者も泣いております。近頃は涙腺がユルユルで……。 (2019年10月14日 0時) (レス) id: d4473d8198 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2019年8月22日 8時
