黒の親子04 ページ10
昼が回った頃、バーノンは手に持つ新聞紙と時計を交互に見ながら来る時間を待ち構えていた。
妻であるペチュニアもそわそわと落ち着かない様子で、息子のダドリーは面白くないといった態度でソファに身を預けていた。
そんな中、ハリーは肩身狭そうに立ちっぱなしでその様子を見ていた。
カチリと十五時を告げる鐘が鳴ると同時に、ドアノッカーの音がした。
バーノンが出迎えると、高級ブランドのスーツで身を包んだ男性と、同じく高級ブランドのワンピースと小物で着飾った少女が立っていた。
「初めまして、バーノンさん。シリウス・ウィンクルムです。こちらが娘のセレナです」
「初めまして、セレナ・ウィンクルムですわ」
美しい造形の顔を持つ二人の笑顔に圧倒されながらも、バーノンは二人を中へと出迎えた。
ダーズリー家の誰もが予想だにしていない事だった。
厄介者のハリーが小さな親切をした結果、とんだ大物が釣れたのだ。
既にソファにはセレナとシリウス、バーノンとハリーが向かい合って座り、戦々恐々とペチュニアとダドリーはその様子を離れたところで伺っていた。
明らかに自分たちより富裕層の人達がハリーに会いに来るとは思っていなかったのだろう。
ダーズリー一家は顔を引きつらせていた。
「突然押しかけて申し訳ない。これはほんのお詫びです」
「あー……ご丁寧にありがとうございます」
見るからに高級そうな菓子折りにバーノンの伸ばす手が少し震えており、ハリーは吹き出しそうになるのを必死に押えながら名付け親と育て親の行く末を見守った。
「お宅のハリー君には娘がお世話になったようで」
「あ、あぁ…そう、らしいですな」
「実に素晴らしい少年だ。今どきこんな子は居ない」
「それは、どうも……」
わざとらしさが目立ったからか、セレナの足がシリウスの足を軽く踏みシリウスの顔が一瞬歪んだのが見えた。
シリウスは咳払いをして取り繕うと、再びニコニコと笑みを浮かべて早速と本題に入った。
「娘がハリー君の誠実なところが気に入っているようで、ぜひ彼さえ良ければ休みの間だけでも我が家にご招待したいのですが」
「な、なるほど……うーん……」
美形怖い。ハリーは、終始笑顔で有無を言わさない態度を示すシリウスにそう思った。
あのバーノン叔父さんがこうも反論できないとは思いもよらず、まるで夢でも見てるような心地だ。
「こやつ……んん、この子は少し変わっていまして、その……ふくろうを飼っておりまして...」
「ふくろう！私の家でもふくろうは飼っていますよ。何せふくろうは『知恵』を司る動物で、私も気に入ってるんですよ」
「な、成程、知恵を...ふむ……」
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れい - 炎のゴブレット 前編お疲れ様です！家に帰ってきたらまずこのシリーズが更新されているかを見るぐらい愛しています！最近小説を書き始めてから一日一話更新って難しいんだなとわかりました。レンさん本当に感謝です！ (2月27日 7時) (
レス) @page50 id: d760ec90d4 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - 朱里さん» 朱里さん、コメありがとうございます！お褒めの言葉凄く嬉しいです！1日1話で逆に申し訳ないですが、引き続き応援と評価よろしくお願いします！ (2月16日 23時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - 最近読み始めました！とっても面白いです！これからも無理せず投稿を頑張ってください！ (2月16日 16時) (レス) @page40 id: 88ac2833a9 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - れいさん» れいさん、コメありがとうございます！文章の構成とか考えるの難しいですよね💦私も中々上達せず割り切って作ってるのが現状です。出してみて皆さんからの応援やコメ、評価で漸く自信が着きました！上手くかけてるのだとしたら皆さんのおかげです。本当に感謝です！ (2月13日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
れい - コメント久しぶりに失礼します。出す気は今のところないんですけど、文章を書いていて、すごく難しいですね。語彙力と想像力のあるレンさんは本当にすごいなと改めて思いました。しかも一日一つずつ更新してくれるとか神すぎです。これからも完結しても、応援します。 (2月12日 17時) (レス) @page36 id: d760ec90d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年12月25日 7時
