バグマンとクラウチ07 ページ29
夕方が近付くにつれ、誰もが期待と興奮でソワソワとし始めた。試合を待つ何千という魔法使いたちを夜の帳がすっぽりと覆うと、最後の慎みも吹き飛んだ。
行商人があちこちで出現し、様々な魔道具や食品が店舗に並びはじめたのだ。
「この日のために夏休み中お小遣いを溜め込んだんだ！」
満面の笑みを浮かべるロンに着いていきながら露店を廻ると、ロンはあちこちで買い込んだ。
踊る三葉のクローバーがぎっしり飾られた緑のトンガリ帽子に、ブルガリアのシーカーであるクラムのミニチュア人形を買っていた。
「わぁ、コレ見てよ！」
今度はハリーが商品に食い付いた。
真鍮製の双眼鏡であらゆる種類のおかしなダイヤルがビッシリ付いていた。
「『
なんとも魅力的な魔道具に、ロンがクローバーの帽子を外し「こんなの買うんじゃなかった」と物欲しそうに万眼鏡を見つめると、ハリーが「四つください」と手を出した。
「いいよ、気を使うなよ」
ロンは顔を赤くした。両親から財産を相続したことで自分よりお金持ちのハリーから、施しのようなことをされるのを嫌がるのだ。
だからハリーは一つ条件をつけた。
「クリスマスプレゼントは無しだよ。しかもこれから十年くらいはね」
「っ！いいとも！」
セレナとハーマイオニーにも手渡されると、ハーマイオニーはプログラムをセレナは緑のロゼッタをプレゼントする事に決めた。
「あれ？残り二つは？」
「フレッドとジョージの分よ。だってあの二人、お小遣い全部かけたでしょ？何も無いのは可哀想じゃない」
その後四人はテントに戻ると、ビル、チャーリー、ジニーの三人の胸元には緑のロゼッタが付けられており、アーサーもアイルランドの国旗を持っていたが、案の定フレッドとジョージは何も無かった。
「やっぱり買っててよかったわ、良かったらどうぞ」
フレッドとジョージに緑のロゼッタを両手に掲げると、二人はまるでお芝居のように傅き手を広げた。
「さすが王子！なんと慈悲深きお心……」
「我が王子に祝福を！」
「渡すの辞めるわよ？」
ロゼッタを天に掲げると、二人は揃って立ち上がり悠々とセレナの手からロゼッタを取った。
それと同時に鈍い鐘の音が遠くで鳴り、競技場までの道に明かりが灯ると誰かが待ち切れずに言った。
「さあ、行こう！」
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れい - 炎のゴブレット 前編お疲れ様です！家に帰ってきたらまずこのシリーズが更新されているかを見るぐらい愛しています！最近小説を書き始めてから一日一話更新って難しいんだなとわかりました。レンさん本当に感謝です！ (2月27日 7時) (
レス) @page50 id: d760ec90d4 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - 朱里さん» 朱里さん、コメありがとうございます！お褒めの言葉凄く嬉しいです！1日1話で逆に申し訳ないですが、引き続き応援と評価よろしくお願いします！ (2月16日 23時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - 最近読み始めました！とっても面白いです！これからも無理せず投稿を頑張ってください！ (2月16日 16時) (レス) @page40 id: 88ac2833a9 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - れいさん» れいさん、コメありがとうございます！文章の構成とか考えるの難しいですよね💦私も中々上達せず割り切って作ってるのが現状です。出してみて皆さんからの応援やコメ、評価で漸く自信が着きました！上手くかけてるのだとしたら皆さんのおかげです。本当に感謝です！ (2月13日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
れい - コメント久しぶりに失礼します。出す気は今のところないんですけど、文章を書いていて、すごく難しいですね。語彙力と想像力のあるレンさんは本当にすごいなと改めて思いました。しかも一日一つずつ更新してくれるとか神すぎです。これからも完結しても、応援します。 (2月12日 17時) (レス) @page36 id: d760ec90d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年12月25日 7時
