傷跡01 ページ12
「ハリー、どうしたの？」
朝食を作ろうとキッチンに向かう途中、既に起きてはダイニングの椅子で傷跡を抑えるハリーの姿が見えた。
古傷が痛むのだろうか声をかけると、その表情は真っ青を通り越し土気色に染まっていた。
「痛むの？痛み止めでも飲む？」
「痛いけど……それよりも、おかしいんだ」
「おかしい？どういう事？」
「夢の中でピーターとヴォルデモート、あと知らない人が老人を殺したんだ」
ハリーの口から告げられた言葉は、酷く闇に濡れていた。
セレナは動揺しながらも必死に頭を働かせると、ハリーにハチミツたっぷりのホットミルクを与えると、バタバタとシリウスの部屋を尋ねた。
しかし何度もドアをノックしても反応は返ってこず、痺れを切らしたセレナは扉を開けた。
「お父さん、入るわよ！」
真っ暗な部屋の中、身動き一つしないベッドに向かい勢いよく布団を捲りあげると、白いシーツに包まれた半裸のシリウスが、身動ぎ薄く方目を開けた。
セレナの「最近肉がつき始めたわね」という言葉を勘違いして鍛えだした身体が光に照らされ、見る人が見れば扇情的な姿をしているが、見てる人は娘のセレナだ。
どれだけだらし無かろうが素敵であろうが、父なのは変わりなかった。
カーテンを明け陽の光を入れながら、セレナはシリウスにハリーの事を告げるとシリウスは無理やり身体を起こして「すぐ行く」と呟いた。
きっと自分の低血圧は父の血なのだろうと、セレナは思いながら部屋を出た。
下階に降りると、ハリーは眼鏡を着けたままテーブルにうつ伏せて寝ていた。
きっと夢に魘されて上手く寝れなかったのだろう、珍しく熟睡しているハリーの眼鏡をゆっくり抜き取ると、セレナはそのフワフワした黒髪を撫で、朝食作りに取り掛かった。
サンドイッチと目玉焼き、コーヒーが揃ったところで身を整えたシリウスが現れた。
「ハリー、寝てるのか？」
「悪夢を見たらしいの。あと傷跡が酷く痛んで……きっと寝れなかったんだわ」
「傷跡か……」
シリウスは深刻そうな顔をすると、朝食を食べながら話し始めた。
「セレナは呪いを受けた事はあるか？」
「まともに喰らったことは無いわ。どうして？」
「呪いを受けると、呪いの放った人間の気持ちに応じて受けた部分が痛むことがよくある。俺も昔一度喰らったが、二度目会った時に勝つと傷の痛みは止んだんだ」
言ってサンドイッチを頬張るシリウスに、セレナは少し考えてハリーの傷跡を見つめた。
かつて闇の帝王と呼ばれた男がつけた傷跡。その傷跡は酷く痛々しく、少しずつハリーを追い込んでいた。
「ヴォルデモートを倒すしかないのね」
「そうだな」
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れい - 炎のゴブレット 前編お疲れ様です！家に帰ってきたらまずこのシリーズが更新されているかを見るぐらい愛しています！最近小説を書き始めてから一日一話更新って難しいんだなとわかりました。レンさん本当に感謝です！ (2月27日 7時) (
レス) @page50 id: d760ec90d4 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - 朱里さん» 朱里さん、コメありがとうございます！お褒めの言葉凄く嬉しいです！1日1話で逆に申し訳ないですが、引き続き応援と評価よろしくお願いします！ (2月16日 23時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - 最近読み始めました！とっても面白いです！これからも無理せず投稿を頑張ってください！ (2月16日 16時) (レス) @page40 id: 88ac2833a9 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - れいさん» れいさん、コメありがとうございます！文章の構成とか考えるの難しいですよね💦私も中々上達せず割り切って作ってるのが現状です。出してみて皆さんからの応援やコメ、評価で漸く自信が着きました！上手くかけてるのだとしたら皆さんのおかげです。本当に感謝です！ (2月13日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
れい - コメント久しぶりに失礼します。出す気は今のところないんですけど、文章を書いていて、すごく難しいですね。語彙力と想像力のあるレンさんは本当にすごいなと改めて思いました。しかも一日一つずつ更新してくれるとか神すぎです。これからも完結しても、応援します。 (2月12日 17時) (レス) @page36 id: d760ec90d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年12月25日 7時
