再び真の家02 ページ49
中に入れると、ローズはありがとうと小さく微笑んだ。
たった一言、それだけだったのにも関わらず、僕は久々に心が温まったような気がしてむず痒さを感じた。
中に入りお茶をクリーチャーに頼むと、ローズは申し訳なさそうに言った。
「突然押しかけてごめんなさい。でも、相談したいことがあったの」
そう告げたローズは、何かに追われているような焦りを見せた。
僕はその姿に訝しげに兄や先輩の方が適任だと言うと、ローズは悲しそうにしかしハッキリと言った。
「いいえ。貴方じゃなきゃダメなの」
「……どうしてですか？」
「あの二人は今後大変な目に遭うわ。そんな中でこの子を預ける訳にはいかないの」
まるで『未来を見た』かのように言い切るローズに、僕は何故か不安に駆られおぞましい印のついた腕を摩った。
「勿論、貴方のことも知っているわ、レギュラス」
「何を知ってると……っ」
「貴方はこの後、ヴォルデモートにロケットを手渡すわ」
「どうしてそれを！！」
思わず立ち上がり声を荒らげる僕に、ローズは淡々と告げた。
「私、『未来が視える』のよ」
そこからはローズの独壇場だった。
声を荒らげた僕の声に急いで戻ってきたクリーチャーと共に、ローズの告げた『僕の未来』を聞いた。
それは衝撃的な話だったが、容易に想像できる未来にも思えた。
『僕が死ぬ』
その事に僕は納得したが、クリーチャーは初めて泣き喚き僕に
「ーーーそれで、僕はどうすれば？」
「この子の『父親』になって欲しいの」
最初は意味不明な言葉だと思っていたが、ローズの告げた未来の話を聞き納得した。
拗れに拗れた未来は、どうやら名も無きこのお腹の子にかかっているらしい……。
そうして僕はローズの提案に乗り、出産にも立ち会った。
産まれたその子は彼女にも似て、兄にも似ており、初めて真近で見た赤ん坊に恐る恐る指を近付けると、小さな手で僕の指をしっかりと掴んだ。
「ふふ……この子、貴方のことが気に入ったのね」
「っ……！」
優しさで包まれたその言葉に、僕は心の底から久々に安らぎを感じ涙した。
「ローズさん、僕、この子を守るよ。ずっと、一生……」
「貴方も幸せにならなきゃ意味が無いわ」
名前も貴方がつける？と聞かれたが、それは断った。
僕にとってこの小さな子と形式上でも家族になれたのだ。これ以上の幸福は要らなかった。
それから少しして、僕たちはリーマスの家を訪れ、共犯となった。
彼もまた、幸せになるべき人だと思ったからだ。
「ーーー幸せを願うよ、セレナ」
僕は願いを彼女の額に灯し、そっと電気を消した。
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ルーエ(プロフ) - レンさん» 早速読ませて頂きました！全然解釈違いなんかじゃありません！！とても楽しめました！ずっとずっと応援させて頂きます！！ (1月24日 23時) (
レス) id: 69c4e7e541 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ルーエさん» ルーエさん、遅くなりましたがリク小説出来ました！だいぶ解釈違いで申し訳ないですが、お楽しみ頂けたらと思います！これからも応援よろしくお願いします！ (1月24日 23時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
ルーエ(プロフ) - 返信遅くなってしまいごめんなさい！！リクエスト快諾本当にありがとうございます！！これからもレンさんの作品を読み続けたいと思います！ (12月31日 0時) (レス) id: 69c4e7e541 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ルーエさん» ルーエさん、コメント＆リクありがとうございます！私の方こそ解釈違いになるかもしれませんし遅くなると思いますが、是非とも書かせて頂きます！読んでいただいてる方々に喜んでいただけるような作品を作れるように頑張ります！ (12月30日 23時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
ルーエ(プロフ) - リクエストなのですが、番外編として独占欲が強いハリーとの恋愛描写を読みたいなと考えておりまして……。ご検討お願いします。初コメントなのに厚かましくて申し訳ありません！！解釈違いや書くのが嫌であれば全然無視してもらっても構いません！ (12月29日 22時) (レス) @page50 id: 69c4e7e541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年10月18日 20時
