決闘クラブ05 ページ22
「それで、何の用？」
「...荒れてるな。君自身がそう仕向けたくせに」
ドラコの言葉になんの事やらと肩をすくめると、ドラコは顔を顰めて声を潜めながらも怒りをぶつけた。
「あの時、ポッターも《パーセルタング》を使った。馬鹿な奴らは誤魔化せても僕は騙されないぞ」
「あら、聞き間違いじゃなくて？」
「対戦相手をずっと見てたからな。他の連中は走り寄ってきた君を見てた……それを利用したんだ」
セレナはドラコを一瞥すると本を閉じ、マダム・ピンスに本を借りに行った。
手続きを終えるとドラコに目で合図を送った。
「利用したとして、私にメリットは？」
「君はポッターを守るためなら何だってするだろ」
「そんな事ないわ。今は喧嘩もしてるのよ？」
廊下に出てグリフィンドール寮へと戻る階段を登りながら、セレナはドラコに嘘を並べた。
その嘘にも気付いているのだろうドラコは、不満いっぱいの声でセレナに言った。
「君はそうやって君自身を傷付ける。ポッターを守るのは良いが、君自身も守ってやれーー...おい、セレナ」
廊下に差し掛かった時、ドラコは異様な光景を指差し白い肌を青くさせた。
セレナは神妙な顔でそれに近寄ると、石のように固まった二人の被害者を見た。
決闘クラブで蛇に襲われそうになった少年と、ほとんど首なしニックだった。
「セレナ、逃げるぞ。このままじゃまた疑われる！」
「いや、このまま疑われ続けた方が都合がいいわ...」
セレナは辺りを見回して何か痕跡がないか調べていると、蜘蛛の列の一部が不自然に何かを避けるように動いていた。
「...ピーブス、居る？」
セレナの声に応えるよう、ピーブスは現れた。
いつもは人をからかってばかりで憎たらしい笑みを浮かべているが、今回は珍しく悲しそうな表情を浮かべていた。
「セレナ、ソイツの言う通りだ。また疑われちまう」
「良いのよ、それで。さぁ、騒ぎ立てなさい」
ピーブスは不服そうな顔をしながらしゅるりと消えると、少し遠いところで叫ぶ声が聞こえた。
「ドラコ、蜘蛛はどこに向かってると思う？」
「...分からない、が、方角的にたぶん森に向かってると思う」
「貴方もそう思うなら、確実ね…」
何かを思惑するセレナにドラコが声をかけようとした時、バタバタと大勢の足音が聞こえてきた。
廊下の中央で立ち尽くす二人の被害者とセレナとドラコの姿に、誰かが叫んだ。
「現行犯だ！！」
その目は憎しみに染まり、セレナをその瞳に写した。
確か石になった少年と仲が良かったんだっけとセレナは頭の片隅で思いながら、奥の方でこちらの様子を伺うハリーと目が合った。
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レン(プロフ) - 葵さん» 葵さんコメントありがとうございます！コメント頂けるだけで励みになります✨️GW明けたので更新頑張っていきます！ (2023年5月8日 7時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とっても面白いです！更新頑張ってください！（文章短くてすいません） (2023年5月6日 20時) (レス) @page34 id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - みーさん» みーさん、コメントありがとうございます！これからも執筆頑張ります！！ (2023年5月1日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
みー - むちゃくちゃサイコーです！ (2023年4月29日 20時) (レス) @page32 id: 3d403f2132 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！出来るだけ違和感が出ないようにと心掛けてるので嬉しいです☺️これからもよろしくお願いします！ (2023年4月24日 6時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年3月18日 7時
