fragrance memories《2》 (ページ7)

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帰り際、今しかないと思っていちばん大きな
クリスマスツリーの前でAを呼び止めた。

今しかないと思ったタイミングがちょうど
そこだったわけだけど。

『今日は会ってくれてありがとう。
ずっと前から伝えたかった事があるんだよね。』

そう言うとこちらこそありがとうと言われ、
何、怖いと言うA。

今から俺が言う言葉を聞いたらなんて思うかな。

拓実がいるからと断られるだろう。

『俺···

Aの事が好きなんだけど、Aはどう？？』

『これから今日みたいにAと思い出を
作っていきたいなって思ってるんだけど、

俺のこと好き？？』

断られるのにこれを言うのは勇気がいる。

けど、最後の抵抗でそう伝えた。

もちろんみさきは驚いていて、

断るなら早く断って欲しい。

この空気が耐えられないと思っていた時、
Aが口を開いた。

「まさか瑠姫くんがそういう風に思ってくれとるとは
思わんくて···
ありがとう、嬉しい。」

『そう思ってくれて俺も嬉しい。』

「実は私も瑠姫くんの事が好きです。
私で良かったらお願いします。」

『···え？ガチ？？』

聞き間違いだと思った。

けど、目の前にいるAは少し照れた様子で
下を向いてる。

『やっば。まじ嬉しいわ。ホントに？
もし良かったら、ぎゅーしよう。』

そう言うと、コクンと頷きそれを確認した俺は
迷いなくAを抱きしめた。

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