fragrance memories《2》 (ページ26)

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アイドルページ26

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「絶対瑠姫くんアイドルいけるって。」

『だからならないって。』

テレビを見ながらAが俺に言ってくる。

好きなアイドルをテレビで見ているAは
名前なんてよく聞いてないけど、テレビの中の人より
かっこいいから絶対アイドルなれる！と
言い始めた。

『アイドルなんてなったらAと
別れないといけないじゃん。』

それでもいいの？とテレビ見て興奮してるAに
顔を近づけると、顔を逸らして
それはだめ、と拒否してくる。

『でしょ？俺も嫌だよ。
ってかもう合格の通知来てるから。ほら。』

そう言って合格通知をAの前で
ヒラヒラと見せた。

Aは、え！と驚くとおめでと！と勢いよく
飛びついてきた。

「あ、ごめん、痛かった？？」

『大丈夫、全然痛くない。』

「良かった。
もう瑠姫くんアイドルならんでいいやー。」

『急に心変わり？笑』

あんなにアイドルなれる！と言い張ってたAが
急にコロッとアイドルならなくていいと言うから
なんだろと思ったら、

「だって、こうやってぎゅーも出来んくなるし
この瑠姫くんの笑顔だって皆見ることになるし
かっこいいからファンいっぱいできるじゃん。」

『そうだよ。
俺もドラマとかで他の人とぎゅーしたりキスしたり
したくないもん。』

人の前に立つ夢を持った事がないって言ったら
嘘になるけど、今はこの幸せを手離したくない。

Aがいない人生なんて今の俺には
想像がつかない。

何かよっぽどの事がない限りAを離すなんて事は
ないと思うしアイドルなんて今の俺には考えられない。

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