fragrance memories《2》 (ページ23)

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［おお、お前もついに！］

ダンスの休憩中に向こうの方からそんな声が聞こえた。

なんだろうと気になるけど、そんな自分から
聞きに行くようなタイプでもない。

遂にって聞こえたから何かを出来たんだろうけど。

［瑠姫、遂にあいつ今の彼女で卒業したらしい。］

『···あぁ〜、そうなん。おめでたい事じゃん。』

なんの事か分からなかったけどそういう事か。
そういえば、付き合って半年の彼女がいるけど
キス止まりって悩んでたわ。

俺とAはそれすらしてないけど。

キスもそれ以上も別にした事ないとかじゃない。
Aが嫌だったらって考えると中々出来ないってだけ。

Aとそういう話をした事がないけど、
多分Aもキスくらいはしたことあると思う。

自分達のペースでとか思うけど後輩のそういう話を
聞くと少し焦るし、何か······

無性にAに会いたくなってきた。

ダンスが終わるとすぐにAに電話した。

多分Aの好きなアーティストなのか
耳元で鳴ってる呼出音がいつもより長く感じる。

「もしもし？どうしたと？」

『今ダンス終わったんやけど、時間あるんだったら
会わない？？』

「いいよ、会お。どこまで来たら良い？？」

『家の近くに公園あるでしょ。そこまでいい？』

「分かった！気をつけて来てね。」

電話を切って急いで目的地まで向かった。

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