fragrance memories《2》 (ページ20)

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好きな匂いページ20

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(You side)

私は夏が苦手。

暑いし、虫が多いし、
雨が降って地面が濡れるとアスファルトの変な
匂いがするし、汗の匂いとか、
苦手になる要素が多い。

でも好きな部分もある。

海とかプールとかお祭りとか花火とか
イベントは楽しい。

｢あれ、瑠姫くん香水変えた？｣

いつも通り瑠姫くんと帰っていれば風にのって
感じた香りはいつもとは違かった。

前つけてたのも好きだったけど、今感じた
この香りも凄く好き。

『うん、変えた。
夏はいつもこんな匂い付けてる。苦手だった？』

｢ううん。全然好き。
瑠姫くんの匂いは全部好きだよ。｣

眉を下げながら心配そうに聞いてくる瑠姫くんに
そう答えれば良かったと安心そうにする。

「夏の匂いってなんとなく苦手やったけど、
瑠姫くんいつもいい匂いだから夏の匂い分かんなくなる。」

『なにそれ笑。』

「瑠姫くんって本当にいい匂いだよね。」

そう言うとAもいい匂いじゃんと
クンクンと顔を寄せて匂いを嗅いでくる。

その姿が犬みたいでクスッと笑ってしまった。

瑠姫くんと一緒にいると今まで苦手だった物とかも
全部好きになる気がする。

春も元から好きだったけど、瑠姫くんと出会って
さらに好きになったし、
夏も苦手な匂いが沢山だったけど、
またこれで夏も悪くないかもって私にとっての
夏の匂いは瑠姫くんのお陰でいいものになった。

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