あなたの壊し方-USSS- (ページ31)

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待ちに待った新学期初日。

俺が頼んだおかげか、Aが言ったのか、教師の計らいか分からんけど、Aと俺と君のお友達は同じクラスになった。

最後の年を君と過ごせるなんて。なんて幸せなんやろう。

これからの生活を考えると頬が緩んでしまう。

教室に入ると真っ先に目に入るAの姿。

あいつらがいなくなった安心感か、お友達がいる安心感からか、楽しそうに話している君に安堵を覚える。

やけど、俺が知らない部分が一つある。

重い前髪が薄く、メガネはコンタクトに、姿勢も良くなって、俺しか知らんかったはずのAが、みんなに知られてしまっている。

こんな状況、いつまた何処の馬の骨ともわからんやつに風が吹いても不思議やない。

やけど、もう少しだけ、Aに時間をあげよう。

その方がきっと、その時が来たらもっと俺しか見えへんくなるから。

慎重に。作った縁を切っていかないと。

懐かしい月曜日の放課後。5月の爽やかな風が吹いている。

図書室の受付の前の椅子。俺の隣にはAがおって。

他愛もない会話を繰り返す。

あの頃が戻ってきたんやなぁって。懐かしくなる。

「私、文化祭のミスコンに出ようかなって思って。
折角変われたから、自信つけたくて。」

君の突拍子もない発言。

S「そうなん！？センラびっくりなんやけど。すごいなぁほんと。尊敬やわ」

なんて冗談。ここまで上手く行くとは思わずびっくりする。

すこ〜しだけ協力してもらってん。誰とは言わんけど。

でも、もうここまできたらあとはもう切るだけやんな。