あなたの壊し方-USSS- (ページ4)

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まさかAの方から連絡先交換しよって言ってくれるなんて。誘った時は心臓壊れそうやったけど無事出かける口実できてよかった。ほら、君も楽しみでしょ。

それからも君の観察はし続ける。当たり前よね。

つまんない時の返事は適当。

あまり関心がないと喋らなくなる。

好きなものを見てる時は指を触る。

全部全部、君の癖は一冊のノートに書いてある。

どんな君のサインも見逃さないように。

因みに君も、君の友達の弱みも握っちゃったりして。いつ僕たちの邪魔をするか分からないからね。

家に帰って今日もノートに書いた事を読み返す。我ながらよく書けてるなぁ。と感心する。

薄暗い部屋に電話の音が響いた。

着信画面には僕の大好きな人の名前。僕のことを大好きになる人の名前。

S「もしもし、連絡ありがとうなぁ。Aのオススメなとことかある？あったらそこ行きたいねんけど。」

「私のおすすめかぁ。あ、一箇所あるからそこ行こうよ。待ち合わせの駅は後で貼っとくけど、場所はお楽しみね。」

S「ありがとうなぁ。じゃあ、次の日曜楽しみにしてるわ。じゃね。」

電話を切る。

耳奥で未だ反響しているAの声に耳を澄ませる。

頭にこびりついて離れない声。僕の頭の中を掻き乱す声。