あなたの壊し方-USSS- (ページ21)

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司会者「今年のミス・コンテストは、エントリーナンバー3、Aさんです！」

司会者の人が放った言葉と同時に君にスポットライトが当たる。
熱気を帯びて少し蒸し暑い体育館に、生徒の歓声と爆音で音楽が流れる。そんな空間を一ミリも気にせず、華やかな衣装に身を包んだAが、煌びやかな空気を纏ってステージの中央に歩いてくる。

その顔には慣れたような綺麗な笑顔。いつもより少し濃いめのメイクが更にAの顔を際立たせる。

百合みたいに少し儚げやけど凛とした笑顔は、一瞬で周りを虜にする。

そんなAを熱で憂いた目で少し離れたところから見つめる。

(まぁ、Aやもんな。そりゃミスコン選ばれるわ。当たり前やろ。
最初は俺しか知らんかったのに。気づいたら大勢の人に囲まれて、君の笑顔も、声も、瞳も、俺のものじゃなくなってしまった。君を見つけたんは俺なのに。

でも、それも今だけのことやんな。やって、最終的に君にとっての唯一は俺になるんやから。
そうやろ？俺、間違ってないやんな？

やから、まずは、君の周りの人間関係を綺麗にしないと。
俺しか見れんようにせんと。
君の唯一に、またならないと。)

君が周りの人に笑いかけてるのを見ながら、独占欲と、少しの焦りを抱えて自分に言い聞かせる。

俺の唯一は君やのに、君の唯一が俺やない訳がないと。

Aの唯一は俺や。