あなたの壊し方-USSS- (ページ19)

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また桜並木で君を見つけた。なんで毎年君を見つけるんやろ。綺麗なのも、目を奪われるのも、変わらんのに。

また春。
結局俺の片想いはそのままで、君の想いも分からないまま。
気づけば高3。今年は、君とクラス別れてしもうたなぁ。
このままなぁなぁになるんやろか。

『志麻くん、久しぶり』

S『久しぶり、やなぁ。元気やった？もう落ち着いた？』

『あの時は、ごめん。どう接して良いかわかんなくて。あと、ありがとう』

並木道で話しかけてきた君。
君の存在を横に感じながら、ゆっくり歩く。君も、俺の存在を横に感じてるんやろか。

『私、いっぱい考えたの。志麻くんの優しさとか、ちゃんと考えて答えてくれてたのとか、ちょっと低めの声とか。気づいたら、いっぱい考えてたの。心が、志麻くんでいっぱいだったの。
まだ、遅くなければ、志麻くんを選んでもいいですか？』

そう俺の目を真っ直ぐ見てきた君はやっぱり美しくて。
あぁ、やっと俺のものになったんや。俺だけの君に、君だけの俺になったんや。

S『俺は絶対、あんな思いさせない。一生Aを大切にするから。俺にしてくれて、ありがとうなぁ』

あいつの存在が君の中で小さくなって。
俺の存在が君の中で大きくなって。
まさかこんなにうまくいくとは。あいつには感謝せんといかんなぁ。素であんなにAのこと傷つけてくれたんやから。

君に刺してあった悪い存在は、俺の存在を埋めることで取ってあげたからな。

綺麗なA。俺だけのA。幸せやなぁ。

【紫の壊し方】-F.i.n.-

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＇バール＇

テコの原理を利用して、釘を抜く。