あなたの壊し方-USSS- (ページ17)

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「志麻くん、はさ、どう思ってるの？」

君からそんな言葉を投げかけられたのはついさっき。
俺が刺した釘は君に深く刺さったみたいで、お互い下の名前で呼ぶようになった。

初々しくて呼ばれるたびニヤケそうになる顔を隠すのが大変や。

S「まぁ本当かどうかは分らんけど、やってたとしたらまずいよなぁとは思ってる。どんな事情があるかは分らんけど、犯罪と言えば犯罪やし。」

ごめんけど、Aに嘘はつきたくないから。思ったことは言わせてもらう。

「そう、だよね。やっぱそう思うよね。私だけでも信じてあげたいって思ってたの。一つ目の噂流れた時は、何にも言ってこなかったから、私1人だけ心配してるみたいで。違うよね、そんなわけないよねって、信じてたの。」

まって？なんでまだあいつの肩持っとんの？なんで信じてあげたいって思ってるん？俺は、こんなに君のこと思って、君が少しでも穏やかにあいつと別れられるように。って思って噂まで流しとんのに。
なんで？

「でも、2つ目の噂が流れて。万引きって。本人も否定はしてるけど顔引き攣ってるし。勉強にも身が入ってないみたいで。

(それで？だからなんや。自業自得やろ。Aが悩むことちゃうやん。俺のことだけ考えてれば良いのに。
俺はこんなに、今、俺の目の前でAがしてる泣きそうな顔に緩む頬を抑えてるのに。)

て、ごめんね。何志麻くんに話してるんだろう。このことは、忘れてくれていいから。ごめん。ありがとう。」

S「そうなんや。Aも難しいなぁ。辛いよなぁ。でも、考え続けたら今度はAが壊れてしまうかもしれん。自分のことも大切にしぃや。最近寝れてないみたいやし。」

「志麻くんにはバレちゃうね。誰も気づかなかったのに。ありがとう。また明日。」

S「俺だったらそんな思いさせへんのに。悩ませんのに。苦しませんのに。

なぁ、俺にしてくれよ」

なんて、本人に届くはずはなくて。君が閉めてったドアを見ながら呟いた。

もうこれは最後の一押しするしかないよなぁ。

君に見てもらうために。

君があいつと別れるために。

俺のものになるために。