すれちがい ページ41
光「Aー、お客さんの注文とって」
....
光「A?」
足が動かない。
いやなくらいに心臓がどくどく動いていて、息をすることさえ忘れてしまう。
久しぶりに少しだけ見えたあなたは、去年よりも うんとかっこよくなっていた。
そして、私に気づかないまま、私がいる方に背中を向けて座り、楽しそうに雄也さんとお話をしている。
その背中が、大好き..だった背中だけで、私の中の彼への気持ちを呼び起こすには十分だった。
光「おい お前、大丈夫か?なんか、顔色悪い」
「、...」
光「、ちょ、泣いてる?」
私、...泣いてたんだ。気づかないうちに頬が濡れていて、ようやく我に帰った。
「ごめん、なさい。帰ります...お疲れ様でした、」
光「おい、A!」
後ろから私を呼び止める光くんの声が聞こえるけど、泣き顔を見られたくなくて、急いで休憩室に置いてあった自分の鞄だけを握りしめて店を出た。
走って走って、ただがむしゃらに走って、自分の家を目指した。
街を歩く通行人なんかに目もくれず、ただひたすら足を動かした。
それでも涙は止まってくれなくて、頭の中には 昔の彼の優しい笑顔。
そして、ちらつく大ちゃんの笑顔。
最低だ私。
ずーっと大ちゃんのこと好きなのにさ、こうやって心が揺らいじゃってるんだもん。
心が締め付けられ、頭がぼーっとする。
家に着き 上着を脱いで 携帯をカバンの中に入れたまま、現実逃避するみたいにベッドに潜り込んだ。
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みかん(プロフ) - こんなお店でバイトしたい!みんなの楽しそうな感じ、目に浮かんじゃいますね。このお話、好きです。これからも頑張って下さい! (2018年2月13日 22時) (レス) id: 54fbc623d8 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - るなさん» きゃーーーーーありがとうございます、めっちゃ嬉しいです 涙ちょちょぎれました (2018年1月7日 21時) (レス) id: 67de5f79a0 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - このお話ドストライクすぎます(>_<)更新頑張ってください!! (2018年1月7日 20時) (レス) id: 8cb6705672 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りり | 作成日時:2017年12月11日 23時