見えない翼 Ⅱ (ページ8)

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『、、ふ、』

一気に力が抜け、椅子へと座り込む。

終わったんだ、本当に。

安心したような、やっぱりどこか寂しいような。

「大丈夫、？」

『、、っ、え、？』

聞き覚えのある声に振り向くとそこにはなぜだか紫耀がいて

『な、なにしてんの？！』

紫耀「バカ、本当にお前一人で俺が行かせると思った？」

俺が行くのが条件だったろ？と笑う紫耀

『、、紫耀、』

どうやらずっと別室で見守っていてくれたみたいで。

『ありがと、』

紫耀「、、いーえ」

って、あれ。さっきの話はどこまで紫耀は聞いてた？

初恋相手ってのも聞かれてた？

え、？！

少しテンパるわたしに紫耀はおい、どうした？と声をかけてくる

『や、話、聞こえてた、？』

紫耀「は、？俺は別室だから、」

『だよね、』

聞こえてなかったことに一安心したのも束の間だった。

「俺はちょいちょい聞こえてたで？」

『あー、やっぱり、って、え、？！』

声のする方を見てみれば、

バーカウンターにカッコよく肘をつきこちらを見てる男の人。

深く被ったハットからひょこっと顔を覗かせたのは

な、永瀬さん？！

廉「無事、終わったみたいやな、」

紫耀「おう、廉、サンキューな、」

廉「ただ、美味しいお酒飲んでただけ」

『、、、え、永瀬さんがなんで？！』

紫耀「協力してもらった、監視役」

"本当は俺が自分でしたかったけど、あいつに一回会っちゃってるし"

と、紫耀。

廉「ごめんな、様子が変やから紫耀に問い詰めて聞いちゃった」

『、、、あ、いや、こちらこそご迷惑をおかけしました』

紫耀「Aこういう時はごめんじゃねぇだろ？」

『、、、』

永瀬さんにまで迷惑かけてしまった。
でも、見守っていてくれたことはやっぱりありがたくって。

『ありがとうございました』

廉「素直でよろしい」

にっと笑ってみせる永瀬さん。
アイドルスマイル、さすがです。

なんて呑気に思っていると急に近くなる距離。

廉「？」

『、、、う、えっ、？/」

紫耀「おい、こら、廉なんていった？」

廉「あー、紫耀にだけは秘密」

紫耀「はー？！なんだ、おい、A？」

『な、なんでもない！』

"紫耀に対しても素直にならないとな？"

言い合いをする２人を横目にわたしは永瀬さんの言葉を脳内でリピート中

どうやらわたしと優也とのやりとりは永瀬さんには聞こえていたようでした。

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