見えない翼 Ⅱ (ページ7)

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『、、、』

やってきたのは会員制のバーで。ここは紫耀に前に連れてきてもらったお店。
安全面を考えて、ここになった。
カウンターにわたしと少し離れた場所に男の人が一人いるだけ。

待っている相手はもちろん、

優也「お待たせ、」

『あ、、う、ん、』

優也で。
緊張を誤魔化すように頼んだカクテルをグッと飲み干す。、、やばい、苦しい、かも。
顔を歪めながら見上げると優也もなんだか苦しそうで、

優也「、、、」

『、、、』

隣同士座っているけど、空気は重くて。話したいこといっぱいあって、いっぱい考えてきたはずなのにいざとなると頭が真っ白になる。

優也「、この前は、、ゴメン、」

先に口を開けたのは優也の方だった。

優也「あんなこと、したかったわけじゃないんだ、」

『、、、』

優也「痛かったよな、ごめん、」

そういってまだ少し赤みの残る口元を触られる

『、、っ、』

優也「、、こんな事しといて説得力ないよな」

眉を下げ笑う優也

『ちゃんと、お別れできてなかったから。逃げたわたしもいけなかった、ゴメン。』

優也「、、、」

『、、もう優也とは会えない。家族を大切にして』

真剣に向き合わないと。
気づけば優也に対する恐怖はなくなっていて。ジッと目を見て話す。

優也「、、ごめん。でも、本当にお前のこと好きだったのは信じて欲しい」

"気づいたら後に引けなくなってたんだ"と、苦笑いする優也

胸がキュッと痛む

優也「、、Aはちゃんと俺好きだった？」

『本当に好きだったよ？』

優也「そっか、、でも今は違う奴がお前の中にいんだろ？」

『は、っ、え、？』

思わずカクテルを吹きそうになる。

優也「この前の奴、だろ？」

『え、、？』

優也「ちなみにお前の初恋の相手ってのもアイツだろ？」

『な、なんで、？！』

優也「んー、俺の勘？」

『ふ、なにそれ、』

いつも冷静で、周りのことをよくみている優也
そんな彼にはわたしの些細な言動１つで全てお見通しだったのかもしれない。

"マスクしてたからどんな奴か全然わかんなかったけどなー"と笑って言う優也に
よかった、平野紫耀ってことはバレてはいない、かな？なんて一安心。

優也「あと一杯だけ付き合って」

『、、うん』

最後の乾杯をして、あとは昔の思い出話をしたりとかして、時間は過ぎていった。

優也「じゃ、先に帰るな」

『うん、』

優也「ん、元気で」

『うん、優也もね』

軽く手を挙げると少し寂しそうに笑った優也はそのまま店を後にした。

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