見えない翼 Ⅱ (ページ44)

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Another story #19 ページ44

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『37.6℃、ほら、熱あるじゃん、！』

「えー、あー、」

仕事終わりで家に遊びに来てくれた紫耀だったけど、なんだか様子がおかしくて。

どこか上の空というか、、、

熱を疑うわたしにしばらく

「絶対、違う！」

と言っていた紫耀だったけどわたしのしつこさに観念して体温を測ってみれば、やっぱり。

ずいっと体温計を見せればどこかバツが悪そうな顔をしていて。

ソファの上、シュンと眉を下げた紫耀は犬みたいで可愛いなんて思ってしまった。

『家まで送ろうか？』

「え、やだ、帰らねぇよ」

『え？』

「だって、せっかく明日オフなのに、！」

この人は子どもなのだろうか。
と思いつつもそんな姿もなんだか可愛いくて。

『、、はいはい、とりあえず横になって休もう？』

「、、ん、」

手を差し出すとそこは素直で。
引っ張りあげ手を繋ぐ。やっぱりその大きい手は熱を持っていた。

ああ、上がらないといいんだけど、、

ベットへと促す。

「Aの匂いするー、」

『変態か、』

「男の子は誰でも変態なんですー、」

『はいはい、薬飲まないとだしご飯食べないとだよね、お粥なら食べられそう？』

「あ、流したなー、、、ん、たぶん、食べられる、食べたい」

『わかった、ちょっと待っててね』

「はーい、早く戻ってきて」

『頑張ります、！』

いつもより熱のせいなのか弱ってる紫耀の姿に後ろ髪を引かれながらもキッチンへと向かった。

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