見えない翼 Ⅱ (ページ20)

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「え、Aちゃん今日もこないの？！」

部屋いっぱいに響き渡る海人の声。

佐々木「また、わたしですみませんね、」

優太「あ、いやそういう意味じゃないんすよ、！」

「、、、」

ここ最近Aが取材にこない。
気づけば１ヶ月が経とうとしていて。

ずっとあいつが担当してくれていたのに。

廉「紫耀、、」

「、、ん、、」

連絡はあれからした。

でも、既読にはなるものの返信すらなければ電話も出ない。

忙しいのかな？なんて、都合よく考えていたものの内心かなりキツくて。

「佐々木さん、あいつ、元気してます？」

佐々木「、、、ええ、そうね、大丈夫」

「そうっすか、」

あいつの情報が入るのは佐々木さんからのみで。

わかってはいる。あいつに避けられていることは。

事の発端は自分なのはもちろんよくわかってる。

いつもはっきりと物を言う佐々木さんから出た返答は濁したもので。

Aを苦しめたかったわけではないのに。

佐々木「仕事をね、」

「はい、」

佐々木「今はしっかり頑張るんだ、って、変に空回りしてるのよ」

「、、、」

佐々木「もちろんしっかりやってるのよ？でもね、気持ちがここにあらずで、」

廉「誰のせいやろな～」

玄樹「ねー？」

「、、、」

佐々木「何があったのかしらね？」

チラッと佐々木さんと目が合い、思わず俯く。
俺が原因なのはわかっていて。

でも連絡も取れない今、どうしようもできなくて、もどかしい。

廉「会いに行くしかないじゃない？」

「、、廉」

廉「、今の紫耀、紫耀らしくないで」

「、、、」

廉「当たって砕けろ」

「、、ふ、砕けるのかよ、」

廉の言葉に何か吹っ切れたような気がした。

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