剣士の弟 (ページ19)

今日:16 hit、昨日:7 hit、合計:2,563 hit

夜明けページ19

ゾロside

幻覚が解けたのは彼奴が帰ってきた時
彼奴は、傷だらけだった
俺とコックの2人で治療をした

サ「何でこんなボロボロなんだ」
「海兵だけだったのか？」
サ「海兵だけでこんなになるかよ」
「自分を犠牲にするのも大概にしろよ」

治療が終えた頃…目を覚ました

ガ「…あれ？」
「起きたか？」
ガ「俺っ…」

何かを思い出したように飛び起きた

ガ「痛っ…」
「馬鹿、傷開くぞ」
ガ「何か聞きたそうな顔だね」
「本当に海兵だけだったのか？」
ガ「その事か」
サ「お、起きたか？」
「どうなんだ？」
ガ「大将が2人」
「お前っ！」
ガ「勝ったけど…無傷とは、いかなかった」

まさか、赤犬と黄猿を1人で相手にしてたとはな
無事でよかった

「チョッパー起こすか？」
ガ「駄目っ！」
「何で？」
ガ「こんな姿見られたら…」
サ「怯えない怯えない」
「わかった、言わない」

何を怯えてんだ
震えてる

「ごめんな、意地悪過ぎたな」
ガ「駄目…こんな姿見られたら…怒られる」
「誰に？」
ガ「また、俺のせいで皆さんが危険な目に…」
サ「会わないよ」
ガ「夜が明けたら…また…」
「誰も、何とも思わないよ」
ガ「俺の穢れた手じゃ…誰にも触れられない」

そういえば…服の上からしか抱き着かれねぇ
手を握ろうものなら躱される

「ガル。お前の手が穢れてるなら、俺もだな」
ガ「何で？」
「俺も、俺の刀も沢山の血を浴びてる」
ガ「でも…」
「守る為に振るった剣なら、穢れてない」
サ「護ってくれたんだろ？俺達を」

島が見えてきた
周りには船らしき残骸

ガ「俺の手は…」
サ「穢れてない」
ガ「さ、触るなっ…駄目…移っちゃうから」

その言葉を聞いて俺とコックは、ガルの服を剥ぎ取り、
抱き締めた
嫌々と首を振って抵抗するガルを閉じ込めた

「移ってるか？」
サ「移ってないでしょ？」
「あそこに船止めるか？」
サ「そうだな」
ガ「…俺を抱き締め…た？」
サ「ほら、着いたぞ」
ガ「穢れてない…何で？」
「俺達はそんなものには、屈しないからな」
ガ「嘘…」
「ガル、また護ってくれてありがとうな」
サ「俺達も一応は戦える身だぜ？」
「少しは兄貴に頼れよ」
ガ「…っく…ﾋｯｸ…」

泣き顔は久々に見た気がした
ガキの頃以来見てなかったから

サ「疲れたろ？少し休みな？」
「部屋行くか？」
ガ「2人と居る」
「…そっか」

俺だけじゃなくなった
コックも含まれた
これは成長だろう
コックには少し解れてきた証拠

「ガル、お疲れ」
サ「お疲れ様」