赤さんの成長日記6 (ページ8)

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半端者(青年期) ページ8

翔side

分かってる。
今兄貴がピリついてるのも
頑張っても得れない情報を弟が持ってる悔しさも
分かってる。
兄貴が悪くないって事も
聞かせちゃいけなかったのかもしれない
和君に聞いてから聞かせた方が良かったかもしれない
でも、もう、遅い

「ははっ…半端者か」
友「智さん。半端者で結構ですよ。
貴方の情報の足しになるかもと思って、それを置いたんだと思います。
それを…何も聞かずに半端者って…兄としてどうなんですか！
半端者って言葉が、今の俺達にどれだけの傷を付けると思ってるんですか？大人の貴方達はもう忘れましたか？
人の為になれば自分の犠牲なんて惜しまない此奴の性格を…こんな事になるなら、ここに着いてこなければよかった。
和也さん。
申し訳ないですが、翔は、俺が預かります。」

友がこんなにもビシッと言ってくれるなんて思わなかった
兄貴に言われた『半端者』って言葉が思いの外グサッと刺さって涙が溢れた

「お邪魔しましたっ…」
友「失礼します。」

バタンっ！

友が扉を乱暴に閉めた

友「くっそ頭に来たからあんな事言ったけどさ…
年上にしかも智さんにあんな事言って良かったのかな」

あ、いつもの友だ

「悪ぃ。でも、スッキリした」
友「これから行く場所さ、俺が今借りてる部屋なんだけど、事故物件なのよ。安いし広いし。
俺見えねぇし良いんだけどさ」
「半端者か…半端者にやってる訳じゃねぇんだけどな。部活だって真面目にやってる。
勉強だってそれなりにやってる…
でも、兄貴達の目には写ってなかった」

写ってなかったんだ。
なんか辛いな
俺の頑張りは見えてなかったんだな

友「ほら、行こうぜ」
「あぁ」
友「泣くなよ？」
「泣かねぇよ‪w」

↓社宅では…

和「どうしてくれんの？」
智「ごめん…気が動転してて」
和「せっかく繋ぎとめたのに」
智「半端者…完璧に言い過ぎだよな」
和「馬鹿な令嬢達が口を滑らせただけなのに」
智「うん、間違ってる。翔は、悪くなった」
和「またこれで、危険な道を歩き出すよ」
智「うん…」
和「俺は何も言わないよ。今回は智にぃが悪いから」
智「止めないとな」
和「殴られて当然だからね？」
智「あいつが暴れる前に止めないとな」
和「1回言いたいこと言い合って殴り合えば？」
智「は？」
和「翔が不公平だよ。怒られてばっかり」
智「…俺死ぬ」
和「魔王が帝王に負けるわけないでしょ？馬鹿？」
智「1度、話してみるよ。お前がいる所で」
和「勝手にどうぞ」