【ツイステ】破天荒な人魚は自寮がお嫌い (ページ24)

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23話ページ24

「アズール～
そういえばって……」

「すーすー」

「寝てるよこのタコ」

ちゃぶ台買ってくれなんて言ってないと
値切りに来たのだけれど。

頬杖をついたまま
アズールは静かに寝息を立てていた。

「ま、要領悪いけど努力家だからなぁ」

山のように積まれた書類はきっと、
本来の仕事以上に
引き受けたものも混じっているだろう。

……無駄にいい子ちゃんぶるから。

まったく。

私は軽く嘆息して、
ベッド脇に畳んであるブランケットを広げる。

「ったく……
この分の対価は払ってもらいますよ、
アズールパイセン」

そう呟いてブランケットを肩にかけてやった。
時。

視界の端に動物大全、
なんてでかでかと書かれた分厚い本が写る。

「動物大全……っ？！」

もふもふがたくさん表紙に描かれていて、
これは見なければと本能が言っていた。

「アズールパイセン借りますよ？？
あ、ここで読んでいけばいいか。」

もしかしたらラギー先輩や
ライオ、レオナ先輩の元が分かるかもしれないし。

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「う、さぎ？？何この愛らしい生物は」

きゅるんとした瞳。
長めの耳はピンとたっていて、
当然のようにやわらかそうな毛に包まれている。

「触ってみたい……」

ラギー先輩のしっぽも
レオナ先輩の耳も気持ちがいいのだけれど、
このうさぎという生物は
40センチ程の長さしかないらしい。

抱きしめられるということ……？？？
このもふもふを？

それって最高なんじゃないだろうか。

他にも
犬とか猫とか見たことの無いものが沢山で。

もちろんカモメとかウミヘビとか、
何となく似てるのを
見た事あるなぁなんてのもいるけれど。

「ん……？
僕としたことが、って、Aさん？！」

「あ、おはようござます」

「なんで僕の部屋にっ？！
って……コホン。
なにか御用ですか？」

「うん全然とり繕えてないよね」

内面に押し込んでいるのだろう、
本来のアズールのセリフに、
思わず笑ってしまった。

「この本読みたくて。
ほら、ラギー先輩いるかもしれないし」

「どう考えても本人は載ってないと思いますよ」

「いいんですよどうせ見たことないから。
本物」

ペラペラとページをめくる。

「っ？！」

思わずガタンと椅子から落ちそうになる。

「？どうしました？？」

「………………っ、れが」

「はい？」

「これが、ライオン……っ！！！」

私の目には
とてもふさふさした動物が映っていた。