７人と雨の日を過ごしませんか？ (ページ3)

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喧嘩**MASAI ページ3

『おい！A！』

「マサイの馬鹿っ！」

数時間前にマサイと喧嘩をしたAは、家を飛び出して大雨の中走り回った。

どこに行く訳でもなく、人の少ない路地をただ俯いて歩いていた。

原因は些細なことなのに、なんで飛び出して来ちゃったんだろうと後悔して泣き出す。

「っマサイの…馬鹿ぁ…っ」

頬を伝うのは涙なのか雨なのか分からないけれど、目から涙が溢れているのは分かった。

小さな公園のびしょびしょに濡れたベンチに、同じくびしょ濡れになったAは腰を下ろした。

髪の先からぽたぽたと雫が流れ落ちる。

途端に寒くなってぶるっと体を震わせると、雨が当たらなくなった。

急に止んだのかとAは顔を上げた。

肩を上下させて、息を切らしたマサイが傘を持って立っていた。

「……マサイ、」

『馬鹿…！もう少し自覚持てよ！…俺の彼女だっていう…。』

ここに来ても説教？と、Aはまた顔を下げる。

『マジで心配した』

「えっ？」

『ごめん。…仲直りしたい、』

ぎゅっとびしょ濡れのAを抱きしめるマサイの体温が伝わってくる。

「うん…私も、ごめん」

彼の体温が温かくてAもぎゅっと抱きしめ返す。

『…帰ろ』

「うん…！」

同じ傘の下、マサイはその温かい手で、Aの冷えた手を包み込んで強く握った。