男子バレー部のマネージャーはスカートを履かない2【稲荷崎】

【新チーム1】 ページ9

まむside



3年生の引退



先輩たちと汗を流し、笑いあったこの体育館で

最後の集合をする


先輩たちは泣きながら、でも笑顔で


俺ら後輩に思いを託す



現主「玉藻、これ、受け取ってくれ


これからはお前が持っていくんや」


そういうて渡されたのは






稲荷崎の横断幕








この受け取った重みを絶対に忘れたらあかん



横断幕を抱えながら、深く深く頭を下げる






先輩は笑いながら、その頭をポンポンと2度叩いた






3年生からの言葉を聞き終わり、



監督が労いの言葉を述べたあと、







新チームについての話があった




監「これから、3年生は引退しておらんくなる



今後のチームについてや




主将は例年と同じく、俺と3年で



話し合って決定した」




そう、これから新チームの主将が発表される




みんなに緊張が走る





監「新チームの主将は、、、









信介、お前に任せたい」




その言葉に俺は、密かにガッツポーズをした



だって、信しかおらんと思とったから



周りを見て気を配れて、自分にも厳しくできる


当たり前を当たり前ににできる



1年の手綱を握れるのもこいつだけや




北「監督は、俺を買い被りすぎやと思います」


その信の発言に、ザワつく


北「スタメンにもなったことないし、

主将として実力が伴ってるとは思えません」






『ちょぉ待てや』




思わず声に出てしまった


『あ、す、すんません、、、』


監「ええ、まむはどう思うんや」


監督が問いかけてくれた


『俺は、信以外に主将はいないと思います


継続、反復、丁寧


これが出来るやつはそうそうおらん

コツコツ積み重ねること、努力することを

当たり前にできる、それが信の強みです


やから後輩も、信に注意されたら何も言えんし

信も理不尽なことは絶対言わん


先輩からも同期からも後輩からも、監督からも


そんだけの人望があるやつは信以外にいません


メンタル面でも支えることが出来るやつです



信ばっかりに頼るのは良くないけど


大事なところで頼りになる、


それが主将やと思います』




そう言いきって、信を見た



監「外から見とるマネージャーにここまで言われても



主将やる気はないか？」









北「そこまで言うてくれるヤツがいるのに


自信がつかんわけがないです






力不足かもしれませんが、やらせて頂きます」









こうして、新チームが発足した

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