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スパイダーマンと別れた後、改めてドローンの映像を確認する。
やっぱりドローンの映像に写っていたのは紛れもなくピーターで、…ピーターがスパイダーマンであることがしっかりと写されていたのだった。
「だからあんなに遅刻してたのね。」
この後の夕食で遅刻しても何も言わないことにしよう、だってヒーローは忙しいから。
それにしても、ピーターがスパイダーマンだったなんて…。
いつものピーターはちょっとだらしなくて、…でも優しい。
スパイダーマンとしてのピーターは強く、面白くて…それでもってやっぱり優しい。
スパイダーマンの方が生き生きとして写るのは私の気のせいだろうか?
「私は狩られる方?…それとも狩る方?…それとも…。」
助けられて一目惚れ、なんて映像の中の世界かと思っていたけれど実際にあるものなんだろうか?
ヒーローがヒーローに恋なんて…まるでアニメかドラマた。
自分の気持ちを嘲笑いため息をついた所で携帯がなった。
「もしもしピーター?」
「ごめん、ちょっと遅れそう。」
電話越しに本当に申し訳なさそうな声が聞こえてくる。
「分かった、待ってるから。」
「怒らないんだね…、本当にごめん。」
「ヒーローは遅れてくるんでしょ?」
「そうだね…!」
電話を切り、ピーターと待ち合わせの場所に来て数十分するとやっとピーターが来た。
「ごめん、お待たせ…。」
ピーターは凄い落ち込んだ顔をしている。
…そんなに遅れたことが悪いと思っているのだろうか?
「元気がないみたいだけどどうしたの…?」
「あぁいや、約束…守ろうとしてたんだけど…本当ごめん。」
「別に気にしてないわよ。」
彼の目標はNYの安全で、私とのちっぽけな約束と比べても前者の方が大事だってのは分かり切ったことだ。
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作者名:ひじり若葉 | 作成日時:2023年1月22日 11時