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身体のあちこちショッカーにやられて痛いのを我慢して、なんとか身柄を拘束して一息ついているところだった。
スマホの着信音が鳴り、誰からか確認すると…エリーの文字に心が躍る。
軽く咳払いをして電話に出た。
「もしもし、どうしたの?」
「…あー、いや、その…ニュースを見て、ピーターは大丈夫だったかなぁってちょっと心配になっただけ。銀行の近くには行ってない?」
(…僕がスパイダーマンだったこと、知ってるんじゃなかったっけ?)
「うん、僕は大丈夫だよ。エリーは?」
「私は今講義が終わった所よ、問題ないわ。」
「それなら良かった。あー、そういえば…さ、昨日は本当にごめん。」
「ううん、大丈夫。用事は間に合った?」
「それは勿論!助っ人も来てくれて直ぐに終わったんだ。」
少なくとも、昨日僕がエリーとの約束を破った事に関しては怒ってないみたいで安心した。
「それで…、お詫びと言ってはなんだけど今度ご馳走させてよ。」
(大したものはご馳走できないんだけどね…。)
「…貴方の時間ができた時にね。」
「ありがとう!また連絡するよ。」
エリーとの電話を切ると、まるで切れるのを待っていたかのように誰かからの着信が直ぐなった。
名前をみるとユリの二文字が。
(好きな人からの電話の後の余韻にすらも浸らせてくれないなんて…ヒーローは本当人気者!)
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作者名:ひじり若葉 | 作成日時:2023年1月22日 11時