蜘蛛は蜂を狩るか、狩られるか【スパイダーマン】 (ページ2)

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リーさんからパーティの準備をお願いされていて、今はF.E.A.S.Tの目の前にいる。
メイおばさんをあっと驚かすぞ…と、気合を入れて中に入ろうとしたその時だった、

「ちょっとそこのお姉さん失礼…。」

するりと背後から何者かの手が私の目と口を覆った。
覆われていない鼻で辛うじて分かったことは、微かに香る火薬の匂い。

(あぁくそ、F.E.A.S.Tの前じゃなければヒーローパワー使ったのに！)

されるがままで、何かに入れられそうになったその時…バシュッと紐のような物が放たれる音がした。
それと共に、目と口を覆われていた手は無くなり、放たれたものが何かと確認すると…それよりも先に赤いスーツを身にまとったヒーロー、スパイダーマンが私の瞳に映った。

「大丈夫？怪我はない？」

「…あぁ、はい。ありがとうございました。」

「君みたいな可愛い子はひゅっと攫われちゃうから気をつけてね！それじゃ、僕は急ぐから…またね！」

突風の様に秒でことが流れ、私は呆然とその場に立ち尽くすことしか出来なかった。

「まさかこの姿でスパイダーマンに助けられるとは。」

いつもはヒーロースーツの状態で助け助けられの関係な私たちだけど、なんだか素を見られたみたいで恥ずかしい。

(でもちょっとかっこよかったかも？…なんて。)

助けられたからそう思うのはやっぱり単純すぎか、なんて思いながら気を取り直して建物の中に入ることにした。