52話 ページ10
ラ｢使ったことがない、だと？｣
ランスが少し驚いたような顔で少女に尋ねる。
『どっちにしろ、
あの人たちは私に微塵も興味がなかっただろうから
どうでもよかったとは思うけどね。
親の前では1回も使ったことないんだ、固有魔法。
『もし、私があの子ができないことをできちゃったら
きっとあの子が色々求められて辛い思いをすると思ったから
実力全てを発揮するわけにはいかなかったの。
あの子もね…、
両親が亡くなってすぐにうちの養子になることが決まって
気持ちの整理もつけられないのに
貴族階級の家の後継ぎとして色々なことを覚えさせられて
本当に大変だったはずだから、
これ以上負担を増やしたくなかった。』
『それに…、あの子と書斎で会っちゃったことがあって、
その時に色々教えてあげたら私に懐いてくれてね。
それから親の目を盗んで私に話しかけてくれるようになって。
あの子がこれ以上苦しまないように
私が我慢出来ることは我慢しなきゃいけないと思ったんだ。』
少女は少し微笑みながら淡々と答えた。
ラ｢………。｣
『このまま一生こんな暮らしが続いてくと思ってた。
でも、この前あの人たちが縁談の話を持ってきたんだ。』
ラ｢縁談？｣
『そう、縁談。
あの人たちにとって私は邪魔だけど
使えるなら使っておきたかったんだと思うよ。
まぁまぁ有力な貴族階級の家の、まだ独身の当主の所に
嫁ぐように言われて。』
『その時思ったんだ。
言われるがまま嫁いだら、私一生自由に生きられないって。
このままじゃ私
ずっと縛られたまま生きてかなきゃいけなくなるって。』
『だから、一か八かの賭けに出た。
もし神覚者になれたら、
今後私に干渉しないっていう約束をしたの。』
少女は力強く言う。
ラ｢…それがお前が神覚者になりたい理由か？｣
『うん。………身勝手でしょ？
あの人たちは私を早く家に戻そうとするから、
あの人たちに黙っててもらうには
神覚者になれる可能性があるってことを示さなきゃだった。
だから、1番に固執してたの。
そのためになりふりかまってられなくて、
ランスに絡んでたりしたんだ。本当にごめんね…。』
ラ｢それはもういいと言っただろう。｣
ランスは溜息をつきながら言った。
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あかり(プロフ) - MUZUKIさん» 初めまして！コメントありがとうございます🙇♀️貴重なご意見ありがとうございます！参考にさせて頂きます！ (2月21日 18時) (
レス) id: abcaf26375 (このIDを非表示/違反報告)
MUZUKI(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。小説の内容についてですが、こちらの作品でアニメ化されていない部分までとても見てみたいため、ぜひそこまで更新していただけたらと思います！！ (2月20日 23時) (レス) @page13 id: a8533ba18a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あかり | 作成日時：2024年2月17日 12時
