51話 ページ9
ラ「…自由に?」
『…うん。』
少女はポツリポツリと話し始めた。
『私の家さ、ちょっと男尊女卑っぽいというか…。
だから、後継ぎとして男の子がずっと欲しかったみたいで…
なかなか子供が出来ない中で、ようやく生まれたのが私だった。』
『元々男の子が生まれる予定って言われてたみたいでね、
尚更期待が大きかったのに、生まれてきたのは女で…。
相当ショックだったみたい。
それに目もオッドアイで色々イレギュラーだったから
親からしたら私の存在って
邪魔以外の何物でもなかったんだと思う。』
ラ「…身勝手だな。」
ランスが気に食わないというような顔で言う。
『…まぁ、念願の男の子だったはずが、
それが叶わなかったんだから
親がそう思うのもしょうがないとは思うよ。』
ラ「………。」
『その後何年頑張ってもあの人たちの間に子供はできなくて
医者にも子供をつくるのは難しいって言われたみたいで…。
私が5歳とかの時かな、
結局養子を迎えることで、
後継ぎについては何とかなったんだけど…。
それと同時に、より一層私が邪魔になったんだと思う。
あの家での私の居場所はどんどんなくなっていった。』
『それまではまだ自由に行動できてたんだよね。
親と会うと、その目が気持ち悪いとか目障りとか言われたけど
それでも家の中で自由に動き回れてた。
でも、
部屋に閉じ込められるようになった。』
ラ「…一日中ずっと部屋に、か?」
『全く出れないって訳ではなかったし、ちょっと違うかも。
勉強くらいはしたいって言ったら、
一応
まぁ、基本は部屋いなきゃで、
限られたことしか出来ない縛られた生活ではあったかな。』
ラ「…実力は全く考慮されないのか?」
『実力?』
ラ「お前の固有魔法、かなり特殊だろう。
それに十分脅威なものだと思うが。」
『え、そんなふうに思ってくれてたの?
ランスが褒めてくれるなんて珍しいしなんか感動。』
ラ「茶化すな。」
『睨まないでよ、ごめんって。
……多分両親は私の固有魔法知らないと思うよ。』
ラ「知らない…?」
『うん。私、あの家で
固有魔法使ったことないから。』
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あかり(プロフ) - MUZUKIさん» 初めまして!コメントありがとうございます🙇♀️貴重なご意見ありがとうございます!参考にさせて頂きます! (2月21日 18時) (レス) id: abcaf26375 (このIDを非表示/違反報告)
MUZUKI(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。小説の内容についてですが、こちらの作品でアニメ化されていない部分までとても見てみたいため、ぜひそこまで更新していただけたらと思います!! (2月20日 23時) (レス) @page13 id: a8533ba18a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかり | 作成日時:2024年2月17日 12時