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49話 ページ7

『…おわった…?』


少女が死刑囚たちが消えていった方を見つめながら呟くと、
ランスが少女に声をかける。


ラ「……とりあえず、早く手当をするぞ。」

『ほんとに平気だってば。早くレモンちゃんの所に…。』

ラ「傷が深くないとしても、それだけ血が出ているんだ。
今すぐにでも手当をするべきだろう。
前にお前もそう言って俺に手当をしたと思うが?」


その言葉に少女は黙り込む。
そんな少女にランスは続けてこう言った。


ラ「レモンなら、マッシュたちがいるから恐らく大丈夫だ。
それに、お前に何かあったら
レモンが責任を感じるんじゃないのか?」

『……分かった。』

ラ「歩けるか?」


そう言って、ランスは少女に手を差し伸べる。
その手を取り、少女は立とうとするが…。


『…あれ。』

ラ「どうした?」

『…………足くじいちゃったみたい…。』

ラ「……………。」

『…じゃ、じゃあ私自分で保健室まで行くから…!』

ラ「歩けないのにどうやって保健室まで行くんだ。」

『…いずれは着くよ。』

ラ「馬鹿なのか?そもそもお前、道が分からないだろう。」

『……。
で、でもこの足じゃ保健室にいつ着くか分からないし、
流石にランスを付き合わせる訳には…!』


ランスは小さなため息をつくと、その場にしゃがんだ。


『…?』

ラ「乗れ。」

『え?』

ラ「保健室までおぶっていくから乗れと言ってるんだ。」

『いやいや!!流石にそんな迷惑かけれないって…!』

ラ「迷惑では無い。
それに…、その怪我は俺を庇ったから負ったものだろう。
ならば俺が面倒を見るのは当然だ。」

『で、でも…。』

ラ「むしろ断る方が迷惑だ。早く乗れ、A。」

『!』

ラ「……何を驚いている?」


少女はランスを見つめたまま、
少しの間硬直していたが、はっと我に返り口を開いた。


『……いや、私の名前知ってたんだなって。』

ラ「は?当たり前だろう。」

『今まで貴様とかお前とかしか呼ばなかったから…。』

ラ「………。
というか、それは俺にも言えるが。
お前だって俺のことは、あんたかフルネームかでしか
呼んだことがないだろう。」

『…そうだっけ?』

ラ「あぁ。」

『(じゃあ、私さっき初めてランスのこと名前で呼んだのか。)』

ラ「そんなことはどうでもいいから早く乗れ。」

『………うん。お世話になります…。』


こうしてランスは少女をおぶって、保健室へと向かったのだった。

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設定タグ:マッシュル , MASHLE , ランス・クラウン   
作品ジャンル:アニメ
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あかり(プロフ) - MUZUKIさん» 初めまして!コメントありがとうございます🙇‍♀️貴重なご意見ありがとうございます!参考にさせて頂きます! (2月21日 18時) (レス) id: abcaf26375 (このIDを非表示/違反報告)
MUZUKI(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。小説の内容についてですが、こちらの作品でアニメ化されていない部分までとても見てみたいため、ぜひそこまで更新していただけたらと思います!! (2月20日 23時) (レス) @page13 id: a8533ba18a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あかり | 作成日時:2024年2月17日 12時

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