55話 ページ14
『わっ、ちょ、大丈夫だって…！』
ラ｢いいから、大人しくしてろ。｣
『(いやこの体勢死ぬほど恥ずかしいんだけど…！！)』
顔を真っ赤にしている少女には気づいていないのか、
ランスは足の怪我の具合を見ている。
ラ｢…軽く捻った程度か？
少し治療して固定しておけば、明日には歩けると思うが…。｣
『う、うん…。
(なんか、昔本で読んだ王子様みたいなことしてる…
なんで様になってんの……。)』
ラ｢…何故百面相している？｣
『し、してない！』
少女が食い気味に返答すると、
ランスは少し黙った後、｢タイツ、脱げるか？｣と聞いてくる。
もう手当する気満々といった様子のランスに、
拒否しても無駄だと思った少女は素直に従い、
タイツを脱いで再びランスに足を差し出した。
そのまま、ランスは差し出された足の手当も
てきぱきと済ませたのだった。
ラ｢…よし。これで大丈夫か。｣
『うん、ありがとう。
……じゃあ次はランスの番ね。』
ラ｢は？｣
『ランスだって怪我してるでしょ。
今度は私が手当するから。』
ラ｢…この程度問題ない。｣
『確かに前よりかはマシだけど、
怪我してることには変わりないでしょ。
ほら、手当するからここ座って。』
そう言いながら、少女は自身も座っているベッドの上を叩く。
ランスは溜息をつきながらも、少女の隣に座った。
『今回は素直だね。』
少女はからかうようにランスに言う。
ラ｢どれだけ断ったとしても、
お前は手当しようとしてくるだろう。｣
『あはは、分かってるね。』
ラ｢嬉しそうにするな。｣
そんな会話をしながら、
少女はランスの手当を行なったのだった。
『はい、終わり。』
ラ｢助かった、感謝する。｣
『いーえ。』
ラ｢レモンを救出できたなら、
そろそろ部屋に戻っている頃かもしれないな。｣
『うん…。大丈夫かな…。』
少女は不安そうに答える。
そんな少女を見たランスは少女の頭にぽんと手を乗せ、言った。
『！』
ラ｢あいつらならきっと大丈夫だ。｣
『…そうだよね。』
ラ｢とりあえず、Aの部屋に行くぞ。｣
『うん。』
すると、ランスは再びしゃがみ込んだ。
ラ｢ほら、乗れ。｣
『え、いや、固定してもらったし歩けるかもしれないから…』
ラ｢そんなにすぐに歩けるようになるわけがないだろう。
早くしろ。｣
『……。』
ランスに譲る気がないのが分かったのか、
少女は大人しくランスの背に乗った。
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あかり(プロフ) - MUZUKIさん» 初めまして！コメントありがとうございます🙇♀️貴重なご意見ありがとうございます！参考にさせて頂きます！ (2月21日 18時) (
レス) id: abcaf26375 (このIDを非表示/違反報告)
MUZUKI(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。小説の内容についてですが、こちらの作品でアニメ化されていない部分までとても見てみたいため、ぜひそこまで更新していただけたらと思います！！ (2月20日 23時) (レス) @page13 id: a8533ba18a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あかり | 作成日時：2024年2月17日 12時
