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53話 ページ11

『うん…。でもほんとに私最低だったと思う。
ただ自分のためだけに、周りに迷惑をかけて…。
自分の利益のために誰かを傷つけて苦しめる…。
あの人たちと同じことしてるんだって最近気づいた。
自分がされて嫌だったことを誰かにして、ほんとに最低だよ…。』

『…ごめんね、暗い話しちゃって。
それに、神覚者を目指す理由も自分勝手なものでごめん…。
ランスは妹のためって立派な理由持ってるのに、
私は自分のことばっかで…。』

ラ「…謝らなくていいと言っている。
といっても、謝ることが当たり前だったんだろうな、
お前の話を聞く限りでは。
お前が自分を卑下している理由も何となくわかった。
……辛い話をさせて悪かった。」

『ううん、私が勝手に話しただけだから気にしないで。』

ラ「それと、神覚者を目指す理由が自分勝手であったとしても
悪いことではないだろう。」

『え、』

ラ「確固とした意思があるのなら、別にいいと思うが。
確かに、誰かを蹴落すような真似をして
神覚者になっても意味が無いかもしれない。
だが、俺もそれに気づいたのは最近だ。
お前もそれに気づけているんだ、それでいいだろう。」


ランスは付け足すように言った。


ラ「お前は、自分を卑下して悪い方に考えすぎだ。
少なくとも今俺の思うお前は
周りを気遣うことのできる奴だと思うが。
俺を庇ったのだってそうだろう。
自己犠牲的なのはあまり良いとは思えないが
お前が身勝手な人間ではなく、
周りの人間のことを想って行動している証拠じゃないのか。
義弟(おとうと)のために自分が下になることを選んでいるのもそうだが。」

『………。』


少女はランスの言葉を黙って聞いていた。


『(……そんな風に思ってくれてたんだ…。
私のことを、そんな風に…。)』


直後、ランスの肩に雫が落ちた。


ラ「…!」

『あ、れ…。ごめ…、濡らしちゃう、一回下ろして…。』

ラ「……別にいい。」

『…優しくしないでよ…。』

ラ「そんなつもりは無い。」

『(どこが…。無理、涙とまんない…。)
っ…、う、うぅ……。』


そのまま少女はわずかに声零しながら泣き続けた。
そんな少女にランスは話しかけたりはしなかった。


















落ちついた少女は口を開く。


『ランス、ほんとにありがとう…。』


ランスは何もしていない、とただそれだけ言った。

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設定タグ:マッシュル , MASHLE , ランス・クラウン   
作品ジャンル:アニメ
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あかり(プロフ) - MUZUKIさん» 初めまして!コメントありがとうございます🙇‍♀️貴重なご意見ありがとうございます!参考にさせて頂きます! (2月21日 18時) (レス) id: abcaf26375 (このIDを非表示/違反報告)
MUZUKI(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。小説の内容についてですが、こちらの作品でアニメ化されていない部分までとても見てみたいため、ぜひそこまで更新していただけたらと思います!! (2月20日 23時) (レス) @page13 id: a8533ba18a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あかり | 作成日時:2024年2月17日 12時

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