7話 ページ9
『冗談やめてよ、レモンちゃん。
あいつだけは絶対にない。』
レ「でもあんなイケメンそうそういないですよ!!」
『あいつイケメンなの?』
レ「そうですよ!!」
『ごめん、私イケメンとか美女とかの基準が分からない。
今まで家族や使用人以外と関わったこと無かったから……』
レ「使用人?もしかしてAちゃんって貴族なんですか?」
『貴族階級の中でも下の方だけどね。
ほぼ一般階級みたいなものだよ。
……そのくせ、偉そうにして……。』
レ「Aちゃん?」
『!なんでもないよ』
少女はぎこちない笑みを浮かべた。
レモンは彼女のその笑みが気になったが、
深く追求はせず、話を戻した。
レ「でも貴族階級ってことはお嬢様ってことじゃないですか!
ちょっと憧れちゃいます。」
『そんな大層なものじゃないよ、少なくとも私は。』
レ「……もしかしてお家の話嫌でしたか?
ごめんなさい…!」
『!違う違う!そんな気使わないで。
ただ私の家はちょっと特殊だったからさ、
普通の貴族とは違うと思うし変わった話はできないよ。』
レ「大丈夫ですよ!
Aちゃんのこと、また新しく知れただけで嬉しいです!」
弾けるような笑顔で笑いかけてくれるレモンを見て
少女には少し罪悪感が芽生えた。
『(本当にいい子なんだな、レモンちゃん……。
こんないい子に、私仲良いフリしてていいの…?
けど神覚者になるために友情なんかにかまけている暇はない)』
レ「Aちゃん!授業行きましょ!!」
『……うん。』
少しの迷いを抱えながら、
少女はまた日々を過ごしていく。
マッシュがキャベルを殴り教頭を埋めたという噂を聞いてから
少し経った頃、今度はドゥエロに参加するのだとレモンが教えてくれた。
『今度はドゥエロに参加するんだ、レモンちゃんの婚約者。』
レ「そうなんです!
未来の妻としては応援しに行くべきじゃないですか!!」
『え、うん、そうだね…?
行ってらっしゃい。』
レ「Aちゃんももし良ければ一緒に行きませんか!」
『……私も?』
レ「はい!」
『……まぁいいけど。』
少女がそう返事をすると、
レモンは嬉しそうに少女の手を取った。
レ「わぁ……!!ありがとうございます!
じゃあ早速明日行きましょうね!」
『…………。明日!?』
レ「はい!明日です!」
『(なんで前日の夜に誘うんだ……)』
こうして少女はドゥエロを見ることとなった。
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作者名:あかり | 作成日時:2024年2月6日 7時