5話 ページ7
ルームメイトのレモンは明るく可愛い子だった。
キノコ頭の少年___マッシュは
未来の夫なのだと嬉しそうに話してくれる。
正直、誰かと仲良くする必要は無いと考えていた少女だったが
今後の学校生活を送る際にルームメイトとの関係が悪いと
何かと不都合があるだろうと、
レモンと形として仲良くすることを決めた。
『プロポーズって本当だったんだ。
でも本人はそんなこと言ってないとか言ってなかった?』
レ「マッシュくんは照れてるだけなんですよ!!
私には結婚しようって言ってくれたんです!!!」
必死に訴えてくるレモン。
『へぇ……そうなんだ…。』
あまりの圧に少女は納得せざるを得なかった。
『(結婚か……。
想い人と結婚出来ればどれだけ幸せなんだろうな。)』
少女にも昔話のお姫様のような存在に憧れていた時期があった。
いずれ自分にも昔話の王子のような人が現れるのではないか、
そしてその人と幸せになれるのではないか、
そんな馬鹿な妄想をしたこともあった。
『(私にはそんな人は現れないし、
幸せは自分で手に入れるしかない…)
いいな、レモンちゃんは。』
レ「Aちゃんもいつか素敵な人と出会えますよ!!」
『(そんなわけない、私なんかを好きになる人なんていない。)
出会えるといいなぁ』
レモンによるマッシュのPRは夜中まで続いた。
夜中になると流石にレモンも眠くなったのか、
今日はこれでお開きにして、寝ることになった。
レ「おやすみなさい、Aちゃん!」
『おやすみ、レモンちゃん。』
自身のベッドに入り、少女はつぶやいた。
『すごいマシンガントークだったな……
てか、明日以降も続くのかなこれ。』
少女は今後の睡眠時間に少し不安を持ちながらも眠りについた。
翌日からは基礎魔法の授業が始まった。
鍵を開ける呪文、ほうきの乗り方など
様々な魔法を学んだが、少女は難なくこなすことができた。
ただ、少女よりも早く"彼"はそれらを習得していた。
A「あれが、編入試験1位のランス・クラウン……。
すげぇ……」
『(また、あいつに先を越された……。
あいつより上にいかなきゃ、早く1位にならなきゃ……。
あの家にすぐ連れ戻される……。)』
その日から少女はより一層の知識を蓄えるために図書室へ通い
放課後には人の居ない場所でその日の授業の復習を行うようになった。
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話の順番が逆になっている所があります。
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作者名:あかり | 作成日時:2024年2月6日 7時