37話 ページ43
するとフィンに、なにか音が聞こえたようだ。
フ「ねぇ…、なんか今聞こえなかった?」
ド「は?なんも聞こえねぇよ。」
『私も聞こえなかったけど…。』
フィンはまたも音を聞きとったようで、再度尋ねてくる。
フ「いや聞こえたよ…!木が軋むような音が…!!」
『確かに今なんか聞こえたような……。』
ド「Aちゃんまで何言ってんだ…!?
なんも聞こえ……カタカタ……
うげっ、俺も聞こえた…!死にたい…!!」
ド「レモンちゃぁぁぁん!!!うわぁぁぁぁぁ!!!」
フ「うわぁぁぁぁぁ!!!」
2人はそう叫ぶと、マッシュにしがみついた。
そんな2人にランスは声をかける。
ラ「落ち着け…。これは魔法だ。……ディスクロズ」
ランスが唱えると、地面に扉が現れた。
ド「なんだこりゃ……。」
『……こんなところに扉が…。』
ラ「俺の力では扉の姿をさらすまでが限界だ……。」
フ「扉の鍵を開けるにはまた特別な方法が……。」
ド「くそっ!!びくともしない!!どうすりゃいいんだこんなの!」
『(……流石にこれ用の鍵は作れないしな…。)』
皆が困っていると、マッシュが鎧を運んでくる。
『マッシュ?』
マ「僕に任せて。」
『開け方わかったの?』
すると、マッシュは鎧を扉の下に横たわらせ、鎧の持っていた剣を
床を叩くことでつくった扉の隙間に挟み込んだ。
そして……、
剣と鎧を使いテコの力で無理やり扉を開けたのだった。
こじ開けられた扉はそのまま外へと飛んでいく。
『…………何それ。』
フ「扉を無理やりテコの力で……。」
ド「こいつもうなんでもありだろ。」
皆が引いている中、ランスが口を開いた。
ラ「……レモンはこの中にいる。そして恐らく……、
『(………レモンちゃん…。)』
マッシュはレモンに貰ったお守り、シュー子ちゃんを取りだした。
そしてシュー子ちゃんを握り、呟く。
マ「……ごめんだけど、約束……、守れそうにないや。
……行こう。」
『(……絶対助けるからね、レモンちゃん。)』
マッシュを先頭にし、少女たちは扉の中の階段を下りていった。
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作者名:あかり | 作成日時:2024年2月6日 7時