36話 ページ38
少女はある程度の距離を保ってレモンの後をつける。
『……どこ向かってるの…?』
するとその時、
レモンの様子をうかがっている少女の肩に誰かの手が乗せられた。
『キャッ……!?』
少女が小さな悲鳴をあげ振り返ると、そこにはランスが立っていた。
ランスの後ろにはマッシュやフィン、ドットもいるようだ。
『…な、なんでこんなところに…?』
ラ「それはこちらのセリフだ。何をしている?」
『…あれ。』
ラ「?」
少女がレモンの方を指さしたため、ランス達もレモンを見た。
ド「レモンちゃんじゃん。後ろ姿もカァイイなぁ……。」
フ「……。」
突如鼻血を流し始めたドットに、引いているフィンてあった。
ド「おーい!!レモ…」
『しっ!静かに…!!』
ラ「……。様子がおかしい…。」
レモンを呼ぼうとするドットに、
少女が静かにするように呼びかけ、ランスが口を塞いだ。
直後、レモンは奇妙な動きをし始める。
フ「ひいッ…」
『とりあえず隠れて…!』
レモンから死角になる位置に皆で隠れる。
悲鳴をあげそうになっているフィンの口はランスが塞いでいた。
そして、レモンは振り返りこちらを見た。
振り返ったレモンには目がなく、まるで人形のようだった。
レモンがこちらを見なくなるまで、5人は息を潜めた。
レモンがこちらを見なくなった時、ドットがまず口を開く。
ド「……おい、嘘だろ…。
目がなかったけど、
レモンちゃんってだけでカワイイってことに…
気づいちまったよ、俺は。」
フ「……。」
再び鼻血を流すドットにまたも、フィンは引いている。
『どうしちゃったの…、レモンちゃん……。』
ラ「あれは完全に魔法だ…。」
フ「待って…、どっか行っちゃうよ、レモンちゃん…。」
マ「追わなきゃ。」
フ「あそこの角を曲がって行ったよ…!」
『急がないと…!見失っちゃう…!』
どこかに向かい、進んでいくレモンを5人が追いかける。
レモンが曲がった曲がり角の先を見た少女たちは驚愕した。
なぜなら、そこには壁があり、
レモンの姿も消えていたからである。
ド「は?」
マ「いない……。」
ド「嘘だろ!?行き止まりだぞ、ここは!!」
マ「……。」
『……レモンちゃん…。どこに……。』
突如姿を消した大切な友達に、少女の不安は募っていった。
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作者名:あかり | 作成日時:2024年2月6日 7時