29話 ページ31
皆で打倒レアンという目標を掲げてから少し…。
少女がフクロウ小屋の近くを歩いていると、
中から激しい音が聞こえてきた。
『なに…?』
流石に無視することが出来なかった少女は、
フクロウ小屋の中を覗いた。
するとそこには、
レアンのローブを着た男と戦っているランスがいた。
ラ「お前、何故ここに…。」
『そっちこそ…、どういう状況なの…?』
ラ「レアンの奴らが
下がっていろ。」
?「女に構っている暇があるのか?
お前を倒したら次はその女にしよう。」
『……。』
?「それより…。そのマグノリアを使った杖…。
さてはクラウン家だな?
魔法界の超名門重力魔法のクラウン家…。
そのクラウン家の長男がいなくなったことは聞いていたが…。
まさか…、こんなに弱いとはな…。」
レアンのローブを着た男は続ける。
?「自分の才能の無さから家を飛び出したのか?
同情する…。お前は弱き者なのだな…。
…知っているか?
弱き者を圧倒することはこの上なく気持ちがいい。
人は他人と比較してこそ自分を評価できる。
下がいるからこそ、己が高次な存在だと認識できる。
必要だよ、お前みたいな存在は…。」
『こいつ…、言わせておけば…。』
ラ「グラビオル」
『(…!)』
?「もう十分だ…。楽にしてやる…。」
?「シュリケス トリプル」
?「クラウン家を倒して俺はまた…、
己がより高次な存在だと再認識できる…。さあ…散……」
レアンのローブを来た男はようやく違和感に気づいたようだった。
『(さっきのグラビオルでスコップを落としてエサ袋を破り
フクロウを1箇所に集めていた…。)』
ラ「フクロウが邪魔だったんでな…。どかせてもらった。」
ランスはレアンのローブを着た男の攻撃を
いとも簡単に防ぎ、そう告げる。
?「ふ、ふざけるな! ラージシュリケス!!
この魔法は俺の最も…! 」
ラ「グラビオル」
ランスは手裏剣ごとレアンのローブを着た男を地面に沈める。
ラ「貴様にとって戦いは優越感を得るためのものらしいな。」
?「!」
ラ「俺は違う…。俺は大切な妹のために戦わなければならない…。」
?「…何が言いたい貴様ッ…!」
食ってかかるレアンのローブを着た男にランスは淡々と告げた。
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作者名:あかり | 作成日時:2024年2月6日 7時