15話 ページ17
少女を起こしたランスはそのまま話しかけた。
ラ「もうすぐ施錠の時間だ。出られなくなるぞ。」
『…………ありがと。』
ラ「……貴様も礼を言うのだな。」
『言いますけど……!?
というかあんたもわりと甘いんだね。
ビン落とした時、3人が入ってるやつ落としたのかと思ったけど』
ラ「貴様には関係ない。」
『……。私の銀の
ラ「……そんなやり方で神覚者になったら、
きっと妹に顔向けできなくなるからな。」
『あっそ……。』
二人の間に沈黙が流れる。
その沈黙は少女によって破られた。
『……あんたも、神覚者目指してるんだよね?
なんで神覚者になりたいの?』
ラ「…………貴様に教える筋合いは無い。」
『別にいいじゃん。』
ラ「……………妹のためだ。」
『そ……。誰かのためになんだ…。
(マッシュも家族と平和に暮らすためにって言ってたっけ。
みんな誰かのために神覚者を目指してる……。
それなのに私は……、自分のことしか考えてない。
自分のためだけに目指してる。
なんか、恥ずかしい……)』
ラ「…?おい、黙り込んでどうした。」
『!……別に。起こしてくれてありがとう。じゃあ。』
ラ「……あぁ。」
ランスの顔をしっかりと見ることも出来ずに、
少女はそのまま図書室から出た。
部屋に戻ると、レモンが心配してきてくれたが、
大丈夫だからと告げ早々にベッドに入る。
『私……。どうしたらいいんだろ……。』
自分以上の実力を持つ人間との遭遇。
どうでもいいと思うことの出来ない人の存在。
編入前は迷いもしなかった目的を
今のような中途半端なまま目指していても良いのか。
新たな疑問に戸惑いを隠せないまま、少女は目を閉じる。
しかし、しっかりとした睡眠をとることは出来ず、
寝不足気味な日々が続いた。
何日かして、昼寝をできそうな時間が出来たため、
睡眠薬を飲むためにキッチンへと向かった。
白湯を準備していると、
突如とんでもなく大きな叫び声が聞こえてきた。
『え、なに…?これマンドラゴラの声…?
そういえば魔法薬学の課題で
マンドラゴラを使わないといけなかった気がするけど…。
でもこんな叫ぶ?普通……。』
少女はマンドラゴラの声が聞こえる方へと向かった。
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キッチンは各階にあるという想定で書いてます。
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作者名:あかり | 作成日時:2024年2月6日 7時