13話 ページ15
自分の欲しかった答えが返ってこなかったためか、
ランスは違う違う違うと、どんどん大きな声で否定する。
ラ「なぜ即答できない……
1+1=2、黄色と青を混ぜれば緑……
決まりきった答えだ……」
マ「つまりこの世で1番尊いものとは?」
ラ「俺の妹だ……」
マ「……価値観は人それぞれなんじゃ…。」
『あいつ……あんなにヤバいやつだったのか……』
ラ「ほとほと愛想が尽きる…。この世は馬鹿ばかりでな。」
マ「こわっ」
マッシュとの会話を終えたランスは崖へと向かった。
ラ「このビンをここから落とす。
さらに俺の重力魔法で加速させる。
お前はこいつらを助けるためにビンを拾おうとするだろう
俺はそこを攻撃させてもらう。悪いな。」
ビンの中から3人の叫び声が聞こえる。
『ちょ、流石にそれは…!』
ラ「(俺は妹のためならどこまでも非道になれる…)
グラビオル」
『(私の魔法で……)
…………え?』
少女が見たものは……
制服を脱ぎ、クラウチングスタートのポーズをしていたマッシュだった。
マ「ハムストリングス魔法… ビックバンダッシュ」
マ「負ける選択肢も助けられない選択肢も僕にはない」
ラ「なっ」
そして、走り出したマッシュは
一瞬のうちに先程いた場所に戻っていた。
その手には先程ランスの落としたビンが握られている。
『(なに、こいつ……
重力魔法で加速させて落下していたビンを
この一瞬で拾って戻ってきた……?
身体強化の魔法なの?それにしても……異次元すぎる…)』
杖を構えたランスにマッシュはもうやめようと提案した。
マ「なんか君そんな悪い奴じゃないだろ。
やめにしよう、この戦いは。」
ラ「は?」
マ「このビンも空だったし。ダミーじゃん。」
ラ「……!」
さらに、ランスに一瞬のうちにせまったマッシュは
ランスのローブの中をまさぐり3人の入ったビンを奪った。
マ「はい終わり」
ラ「な…なんでだ!
このまま続ければお前は銀の
手に入るかもしれないんだぞ?
ふざけてるのか!?」
マ「いや別にふざけてないけど」
ラ「じゃあなぜ…」
マ「んー、まぁ、
なんでも合理的に判断できるほど器用じゃないから、僕」
マッシュのその言葉を聞いたランスは
何かを思い出しかのように目を見開き、
少し項垂れた。
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作者名:あかり | 作成日時:2024年2月6日 7時