10話 ページ12
あのドゥエロの試合から数日後、
少女は現在わちゃわちゃしているマッシュ達を眺めていた。
マッシュの周りには、
一緒に授業を受けていたであろうフィン、
今から練習するぞと大声で呼びかけている先輩らしき人___トム、
大量の本を持ち一緒に勉強しようと言うレモンが集まっていた。
『(マッシュも大変だな……)』
トムやレモンの呼びかけに耐えられなくなったのか、
マッシュがフィンに助けを求めると、
フィンは寝たフリをしていた。
マ「薄情者が。
…………Aちゃん」
『えっ!?』
まさか自分に助けを求めてくると思っていなかった少女は
動揺するものの、仕方ないと思い、マッシュに歩み寄った。
その時、
?「楽しそうじゃないか」
『!(この声……)』
マ「?」
?「俺も混ぜてくれよ」
顔を上げた先には、
少女にとって勝たねばならない相手___ランスがいた。
『こいつ……』
ラ「……貴様もいるのか。
俺の行くところ行くところに現れるな…、
ストーカーか何かか。」
『は?誰があんたなんかのストーカーになるか。』
ラ「まぁどうでもいいが。」
マ「楽しくは無いので混ざっても仕方ないと思いますよ」
フ「(よく今の会話の中に入っていったなマッシュくん……)」
ラ「……そうか。じゃあもっと楽しいことしよう。」
マ「…………楽しいこと……。
………………かくれんぼ?」
『多分それはない。』
ラ「……このビンは特殊な魔法道具だ。
かなり昔の物なんだが……。」
『!』
ランスがそのビンの蓋を開けると
レモン、フィン、トムがそのビンの中に閉じ込められていた。
『レモンちゃん!フィン!先輩!』
ト「なんだこれは!!!」
フ「な、なにがどうなって!?」
レ「イヤァァァァ!!!
男2人と密室なんてコンプラ案件ですぅぅぅぅ」
ラ「こうして人を閉じ込めることができる。
これを返して欲しかったらフクロウ小屋横の森へこい。
貴様もだ。」
『言われなくても行きますけど』
ラ「待ってるぞ」
そう言い残し、ランスは魔法を使って消えた。
マ「…………」
『……行く?』
マ「………………フクロウ小屋ってどこ?」
『………………。案内するね。』
マ「ありがとう。」
こうしてマッシュと少女は
ランスに指定された場所へと向かったのだった。
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作者名:あかり | 作成日時:2024年2月6日 7時