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｢……手の施しようがありませんでした…｣
横に振られた首に、零れ落ちた言葉。
理解するには容易い状況なのに、
脳はその現実を受け止めることを拒むかのように
警告音を告げる。
胸が早鐘を打つ。
｢……助けてください…俺の肺でも骨でも腕でも、
なんでも照にあげるので、助けてください！！｣
｢……ふっか、…｣
嗚咽混じりの声が俺の名前を呼ぶ。
｢……無理、なんだ…よ……何もあげても…もう……｣
そんなことわかっているよ。わかってる。
でもさ、照は言ったんだよ。
『ふっかは俺がいないと死んじゃうから』って。
''何があってもずっとそばにいる''ってそう約束したんだよ
照が約束を破るわけないじゃん。
｢……ひかっ……ねぇ、俺は、照がいないと、
死んじゃうんでしょ？……ねぇ……置いていかないで…｣
涙がボロボロと零れ落ちた。
手放したら、どこか遠くに言ってしまいそうで、
その包帯だらけの体を必死に抱きしめた。
｢……置いていかないで…お願い…どこにも…行かないでよ
置いて…いかない、で…｣
機械がけたたましい音を立てて、
照を抱きしめていた体はあっけなく剥がされた。
照の体が電流に合わせて跳ねるのをただ、眺めていた。
ただ、ただ眺めていた。
あの日以来、涙の流し方を忘れてしまった。
ただ必死だったのだ。
あなたの想いを、あなたがいた証を、
あなたが愛したこのグループを残そうと、
必死なって仕事をした。
ただ、あなたの香りを思い出しながら、
あなたの背中を思い描きながら、歩み続けてきた。
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作者名：羽瑠 | 作成日時：2023年2月17日 23時
