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｢ってかさAも彼氏作ったら？｣
｢えー、今はいいよ｣
｢Aモテるのに、いつもそう言って作んないよな。
なんで？｣
なんでか…
そんなの決まってるじゃん。
辰哉が''好き''だからだよ。
なんて、そんなこと言えるわけもないよ。
｢だって、いい人がいないから｣
｢じゃあ俺がAに似合いそうな人見つけてやるよ｣
｢私、理想高いから、よろしくね笑｣
任せとけよ。
そう言って昔からずっと変わらない笑顔を見せた。
その笑顔が好きなんだ。
何もかも包み込んでくれるような。
優しくて、少し寂しい、その笑顔が大好きなの。
辛い時、苦しい時、いつもその笑顔に助けられてきた。
｢大丈夫だって｣そうやって辰哉が笑えば、
何もかも乗り越えられる気がしたの。
ねぇ、隣にいさせてよ。
2番でも、3番でもいい。
あなたの隣で笑っていたいの。
｢そうだ。これ彼女の写真。可愛いだろ？｣
そうやって差し出されたスマホの画面には、
ふわっとした髪型に、女の子らしい淡い色のワンピースを
身に纏っている彼女の姿が映し出されていて。
辰哉はその隣で幸せそうに笑っていた。
私の特等席だった、その場所は、
いつの間にか私のものではなくなった。
いや、初めから私のものなんかじゃなかったのだ。
ああ、どんなに願おうと、
私は一生、2番にも、3番にもなれない。
幼なじみのまま。
あなたの隣で笑うことも永遠を誓うことも出来ないのだ。
｢すごく可愛いね。ってか辰哉、顔ニヤけすぎ笑｣
｢うっせぇな笑｣
｢…辰哉、おめでとう｣
｢ありがとう…改めて言われると恥ずかしいな笑｣
｢何？照れてんの？笑｣
｢違ぇわ！笑｣
それなら、
これで最後にするから
だから今日くらいは、この場所にいさせて。
この場所で笑わせて。
この特等席で笑わせて。
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作者名：羽瑠 | 作成日時：2023年2月17日 23時
