愛の謳い方を知らぬ僕らは (ページ2)

今日:2 hit、昨日:21 hit、合計:27,625 hit

． 2 ページ2

いつだって俺たちの前を歩み続けてくれた
大きな背中がなくなって、
本当はずっと不安だったよね。

｢…つらいって。くるしいって…言ってもいいんだよ｣

ねぇ、この言葉聞いたことあるでしょ？
俺たちの大好きなあの人の言葉
いつだって俺たちを照らしてくれたあの人の言葉。
俺は、この言葉に救われたんだよ。

｢……ごめっ……｣
あなたのその優しい瞳から涙が零れ落ちた。

｢……あいたいよ…なん、で…置いていっ…たの？｣

俺はあの人と一緒にいるあなたが一番好きだったのだ。

あの人の言葉に、目を細めて笑って。
ツッコミを入れて。
2人にしかわからないような話で盛り上がって。
お互いに頼りにしてて。

あの2人にしか作り出せない暖かな優しい雰囲気が
大好きだったのだ。

｢……俺も…もっと強くなるから。
岩本くんに負けないくらい…強くなるから。
だから……俺にも守らせて……｣

あの人と同じ香りを纏ったあなたを強く強く抱きしめる。
煙草の香りは好きじゃないけど、
あの人の香りは大好きだったなぁ…

『あー、煙草忘れたわ。照、1本ちょうだい笑』
『ふっか忘れすぎじゃない？この前もあげたんだけど笑』
『ごめん、ごめん笑今度新しいの買って返すから笑』
『わかったよ笑、はい』
『ありがと』
『あー！禁煙するんじゃないの！？』
『やべっ笑ラウに見つかっちゃった笑』

あなたがあの人の煙草を吸わなくても生きいけますように

｢…ラウっ…ありがとう…｣

でも、この箱が終わるまでは、
この香りが消えるまでは、
もう少し、あなたとあの人のことを想っていよう。