マイ・スイート・ハニー

涙は真珠じゃないからね ページ11

「ごめん、俺余計なことしたかも」



目の前で目を逸らして気まずそうに頭をかく彼を見て何分経っただろうか。

本当は数秒だったと思うけど。

どうして謝っているのか分からず瞬きを繰り返す




『えっ、と、深澤さんに助けていただいて

謝っていただくことなんて何にも…！！

本当に困ってたので！！』




早口でそう言えば、自分の頭に手を置いたまま
へらっと笑顔をこっちに向けて笑う深澤さん




「あーそう？ならよかった、マジほっとした。

実は会話聞こえちゃってて」




なるほど、たしかに他人のこんな話聞こえたら気まずくはなるよね

お恥ずかしいところをすみませんと謝りかけた時



ふわっと握られた私の手。
視線を下げると、深澤さんの綺麗な手に包まれてて




「ほんとごめん、Aちゃんが答える前に足動いてた。



今考えたら、Aちゃんのこれからのテレビ出演とか、関係値とかに関わったかもなのに。


でも、俺、むりして笑って頑張るAちゃん見たくなかったから、勝手に間入った。


これで仕事減ったら、



俺が責任持つから。」




手を握られてて初めて自分が震えてることに気づいた。

助けたのは自分の勝手なんてフォローしてくれる優しさも、本当に嬉しくて。



「うわ！ちょっと待って泣かないで！」

『な゛い゛で な゛い゛で ず』

「嘘！！今にも泣きそうじゃん！！笑」

「まだ泣いてないです〜！！」



おっきな声で、頑張れ涙ひっこめろ！
と笑ってくれるのが嬉しい。



泣いていいよ、じゃなくて、

私の強がりを許してくれるあなたが眩しいです。






(また箱推しから深澤担になってしまった…)

(あーーー！今日こそ連絡先聞こうと思ってたのに！)

((手、暖かかったなー))

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