美少女は染谷勇次郎の彼女！【番外編】

No.48 恋から学ぶもの ページ49

桃「小さい頃は家族みんなで旅行に行ったりしていたんだけど、大きくなるに連れて財閥も大きくなってみんな忙しくなっていったの」

翔「…」

桃「お父様は帰ってこなくなったし、お母様も…ごめんね、私が翔斗と一緒にいてあげれば…愛されたかったんだよね、翔斗」

翔「…さい、うるっさい！姉貴に俺の何がわかんだよ！俺のこのAへのどうしようもない思いを理解できるって言うのかよ！」



ギュッ


あ「っ…」

勇「もう大丈夫だから」



勇次郎が私を強く抱き締めた瞬間─



翔「俺のAに触んじゃねぇよ！」ｶﾞｯ

桃「やめなさい翔斗！」


ﾄﾞｺﾞｯ


あ「桃っ！」



勇次郎に向けた翔斗くんの拳が、庇った桃のみぞおちに入る




翔「な、んでだよ…なんで「あんたの、ｳｯ…翔斗の、姉だからよ…！」」

桃「古川翔斗の姉として、私はあんたを止める義務がある…！もうやめて、翔斗」

翔「…うぅ、うあああ…！」



壊れたように泣き始めた翔斗くんを桃はそっと抱きしめて離さなかった







愛「悪いなひより、また警察1人でいってもらって」

ひ「ううん、親友を助けるためならうちはなんだってする。でも、愛蔵くんは自分の命を1番にしてね」

愛「！お前の頼みなら」




ひよりにより、現場に警察と救急車が到着した



勇「Aの付添人です、一緒に乗せてください」

あ「…ねぇ、勇次郎。翔斗くんまた少年院に入るのかな」

勇「そうなんじゃないかな、なんで？」

あ「あくまで私の意見なんだけど、翔斗くんはしばらく桃といたらいいと思ったの」

勇「あー、それは古川次第なんじゃないかな。とりあえず今はAが無事でよかった…」




そう言ってくれた勇次郎はやっぱり私の太陽。私の人生は勇次郎を中心に回ってる





翔「なぁ、姉さん…」

桃「なに？」

翔「なんで、誰かの恋が叶ったら悲しい思いをするやつが出てくるの？」

桃「…今まで辛い思いや悲しい思いをしてきた分だけ、いつかきっと幸せが来るからかな。」

翔「じゃあ、なんで人は1人しか愛せないの？」

桃「そう思うなら、多くの人を愛せる人になりなさい。1人に執着するんじゃなくて、多くの人を愛しな？そうしたら愛されるようになるよ」

翔「…きっとこれからも、沢山迷惑かけると思うけどそれでも姉弟でいてくれる？」

桃「何言ってるの、いつまでも姉弟よ」




恋は時に、人を狂わせてしまう。でもそこから学ぶものも、多いはずだ─

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