6話 ページ7
そして放課後になり、切島くんが来ることを祈りながら保健室へと向かった。
｢失礼します｣
｢はいよって、あんたかい。何しに来たんだい…｣
｢すみません…｣
｢えへへ｣と笑うと、｢はぁ｣とリカバリーガールは溜息をついたが追い出そうとはしなかった。
やはり優しい人だ。
｢あの…切島くん今日来ましたか…？｣
｢来たよ。朝のホームルームの前にね。今日はあんたは教室にいると行ったら出て行ったよ。
昼休みは来なかったよ｣
｢そうですか…｣
｢あたしは、あんたがいないとちょっと寂しいけどね。｣
｢えっ…｣
｢でもまぁ、明日もちゃんと教室に行くんだよ｣
｢はぁーい、失礼しました！｣
切島くんに会えなくて寂しかったけど、リカバリーガールが私がいなくて寂しいと思ってくれてちょっと嬉しくなった。
｢(可愛い…)｣
明日は朝のホームルーム前にも行こうと思う。
そうしたら多分、切島くんにも会えるだろう。
｢おーい！Aー！｣
｢えっ切島くん！？｣
｢よ！！今日は初めて会うな！
クラス、大丈夫だったか…？｣
｢は、初めてだね…！おはよう？
大丈夫だったよ！皆、歓迎してくれたの！｣
｢ははっおはよう！そっかぁ…なら良かった！｣
ニカッと効果音が付きそうな勢いで切島くんは笑った。
今日はもう会えないと思っていたから、嬉しくて少し涙腺が緩んだ。
｢今日はもう会えないかと思った…｣
｢俺も…なぁ、折角だし今日は一緒に帰る？｣
｢いいの！？帰りたい…！｣
｢うっし！じゃあ帰るか！｣
｢うん！｣
思いもよらない出来事に、私はとうとう泣いてしまった。
｢なっえっ、どうしたんだ！？なんで泣いてんの！？どっか痛い？それとも俺と帰るの嫌だった？｣
｢違っ…嬉しくてつい……｣
見苦しい姿を見せてしまった。
恥ずかしい、情けない…
穴があったら入りたいくらいだ。
｢ごめんね、見苦しい姿を見せちゃって…
行こっか｣
｢おう！｣
涙を拭って、少し先を歩いてる切島くんに着いて行った。
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作者名：オドントライト | 作成日時：2019年5月18日 19時
