赤髪ヤンキーと孤独な仮面。

悪戯と悪用。06 ページ13

やっぱり暑いな……
そう思ってキヨを見ると、涼しげな顔をして歩いてた。

こいつ、暑くないのか？

羨ましい……と思いつつ、じとーっと見ていると、
キヨと目が合った。



｢ふっ、なんだよ、さっきから、｣


バレてた!?
そんなに見てない……気がする。


｢な、なんかキヨ暑くなさそうだな！……って思って· · ·｣

｢あはは、暑くないわけないわ、｣

｢だって全然暑そうじゃないー｣

だって、キヨは汗かいてないし· · ·
なんか男らしい感じ？する。外にいるのが似合うって言うか…、
よく分からないけど……


｢ふっ、お前も汗かいてないじゃん、ってか｣


ってか？

ってかってなんだ？そう思っていると、急に視界が広くなった。
キヨに前髪を上げられていたからだった。


｢前髪長すぎじゃね？切れば??
ハル、可愛い顔してるし、絶対モテるよ｣

そう言って前髪を分けて、俺の顔をのぞき込んできた。
急なことに顔に血が集まるのが分かった。


｢っは？別にモテなくていいし。ってか可愛いとかいうな！｣


｢はいはい、可愛い可愛い、｣


｢っだから、｣


だから、その続きを言おうしたが、

キヨの、キラキラと輝いているように見える笑顔をこちらに向けられて、
なんだか、胸のあたりが痛くなり、言葉に詰まった。



｢だからー？｣

｢な、なんでもない！｣

なんだか、顔が暑い。


｢あ、ハルちゃん照れてるー！｣

｢照れてない！｣


｢かわいいなー、ほんと妹みたいだな、あ、もう着いたぞ。｣

だから妹じゃないよ！
そう言おうとしたが、キヨが先に行ってしまった。


薄々勘づいてはいたが、


· · ·

キヨ、俺のことを女だと思ってる!?





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