【QK】哲学と物理は分かり合えるのか (ページ7)

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side tmr

あの時から早1週間。時の流れは気持ちの整理とは真逆に早く過ぎてしまう。俺の気持ちもあの雲のように綺麗に流れてしまえばいいのに。俺は須貝が好きだった。俺のする行動に一々顔を赤くするあいつが堪らなく可愛いと思っていたのも事実だ。ただそれが恋としてなのか友人としてなのか今思えばそれは前者であるとすぐに分かる。今この状況、須貝と縁が切れてしまったあの日から心の中が空っぽで何も残っていないから。気づくのが遅すぎた、いや逃げていただけだ。と後悔していた。

すると携帯の通知がなった。相手は彼女だった。以前まではあいつからの遊びの誘いや通話の誘いが来ていたのにあの日以来もちろんあいつから連絡が来ることはない。連絡をくれるのは同じ学科の奴らか彼女だけだ。俺の中の須貝という男がいかに大きく中心で、なくてはならない存在だと遅い今しみじみと感じる。

彼女田村くん!遊ぶ予定決めたくて、いつなら空いてるかな?

もちろん彼女は俺に起きたことなんて知るわけがないので当然のように遊びの誘いが来る。もちろん付き合っているのだから当然だろう。今の俺はそれどころではないのだけど。

田村いつがいい?

とだけ送って画面を閉じる。本当俺最低だよな。まず彼女に対しても俺は相当酷いことをしたと思っている。付き合う事になったがのが週間と少し前。理由は告白されたから。俺はもちろん付き合うつもりはなかった。須貝とのこと思ったし、自分の気持ちがわからなかったから。だから俺はこんなことを提示した。

『俺は君のこと好きじゃない。多分俺には好きな人がいる。でも自分の気持ちを確かめる為なら付き合える。でもそれは最低なことだと分かってる。これは無理なことだと承知の上での話なんだけど』

無理な話だと分かっていたし、正直諦めてもらう口実でもあった。それでも彼女は

｢それでもいい！これから私の事好きにさせてみせる！私は田村くんが好きだもん、どんな気持ちであれ隣にいてくれるだけで私は嬉しい！｣

と。この子はとてもいい子で優しい子だった。そんな彼女の隣にいれる俺は幸せなのではと思った。これであいつの事を忘れられたら……

何てあいつとは長い付き合いだ。1週間たった今も忘れられない。忘れられるわけがない。寧ろあいつが好きなんだとさらに思い知らされる。俺の為に好きにさせるために尽くしてくれる彼女には本当に申し訳ないとそれしか思えなくなっていた。